名称がややこしい!本沢ダムと城山ダム

2025年5月24日(土)


    ダムやダム湖の名称は、地名を採用していることが多い。ダムの下流側に存在する水力発電所の名称も地名を採用していることが多い。更に、ダム湖の名称である「〇〇湖」は通称であって、正式名称は「〇〇貯水池」や「〇〇調整池」である。ダム、ダム湖、貯水池、および発電所という計4者が同じ地名を採用していることが多い。例えば、「相模ダム/相模湖(さがみこ)/相模貯水池/相模発電所」という関係である。
    しかし、そのような慣例に反しているのが、本沢ダムと城山ダムである。下表は、一般社団法人電力土木技術協会の水力発電所データベースに存在する城山発電所と津久井発電所に関する表記の抜粋である。

城山発電所&津久井発電所

    上表における「ダム名」というのは、発電所の取水元(しゅすいもと)であるダムを示している。城山発電所が本沢(ほんざわ)ダムと城山ダムから取水していることを示していて、津久井発電所が城山(しろやま)ダムと沼本(ぬまもと)ダムから取水していることを示している。
    上表における「貯水池名称」というのは、発電所の取水元である貯水池(すなわちダム湖)を示している。城山発電所が本沢調整池(すなわち城山湖)と城山貯水池(すなわち津久井湖)から取水していることを示していて、津久井発電所が城山貯水池(すなわち津久井湖)と沼本調整池から取水していることを示している。
    このデータベースでは、「〇〇湖」という通称名表記されていない。その通称名は、次のとおりである。
【本沢調整池】城山湖(しろやまこ)
【城山貯水池】津久井湖(つくいこ)

    以上を図示すると、次のとおりである。

城山湖と津久井湖

    すなわち、現状は、「本沢ダム/本沢調整池/城山湖/城山発電所」と「城山ダム/城山貯水池/津久井湖/津久井発電所」となっているのである。
    まことにややこしい。諸悪の根源は、両者のダム名と貯水池名称である。もし、次のとおり命名しておけば、混乱を招かずに済んだと推察される。
【本沢ダム】⇒城山ダム
【城山ダム】⇒津久井ダム
【本沢調整池】⇒城山貯水池
【城山貯水池】⇒津久井貯水池
    このように命名しておけば、「城山ダム/城山貯水池/城山湖/城山発電所」と「津久井ダム/津久井貯水池/津久井湖/津久井発電所」となって、混乱を招かない。
    もし、「本沢ダム」という名称が必須であれば、「本沢ダム/本沢調整池/本沢湖/本沢発電所」とすればよかった。その場合、「津久井ダム」を「城山ダム」と命名して「城山ダム/城山貯水池/城山湖/城山発電所」とすることもできたのである。


ややこしい!鉄道の運送約款

2025年5月21日(水)


    鉄道に興味を持つとそのさまざまな旅客(りょかく)営業規則に突きあたることになる。旅客営業規則は運送約款(やっかん)とも呼ばれるが、厳密に言えば、運送約款のうち旅客に関するものを旅客営業規則と言う。
    なお、一般に「旅客」と書いて「りょかく」と読む。「りょきゃく」という読みも間違いないではないのだが、「りょかく」が本来の読みである。「旅客機」を「りょかっき」と読むことと同じである。
    JRの旅客営業規則については、JR時刻表のピンクのページにおいて、利用者向けの文言(もんごん)によって記述されている。しかし、記載されていない規則や説明不足の記述もある。そのような規則を発見し理解するとアドレナリンが湧いてくる。
    かつてアドレナリンが湧いた規則について列挙してみた。赤文字部分をタッチ(パソコンの場合はクリック)すると、その記事の内容が表示される。



<関連記事>

全車指定席でも自由席料金で乗れる!仙台以北の新幹線

2025年5月21日(水)


    新幹線「はやぶさ」は全車指定席であるが、仙台以北については、座席を確保しなくても乗車することすなわち立席(たちせき)利用することが可能である。立席利用とは、次のとおりである。
① 対象は普通車指定席である。
② 空席状態であればどの座席でも着席することが可能である(発売済の座席でも構わない)。
③ 着席後に、予約済であることを示すきっぷなどを持参する乗客が来れば、立ち退かなければならない。
④ ③の場合に別の空席に着席することが可能である。
⑤ 実際に満席であればデッキに滞在することとなる。

    その料金体系は、区間によって微妙に異なる。本記事では、区間別にその料金体系を記述する。

自由席料金で乗れる区間
(赤色と青色)

(1)  仙台~盛岡

    2018年7月1日(日)に、仙台駅において、「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ」については、新幹線自由席特急券で立席利用することが可能であるという主旨の案内を目にした。
    JR東日本が公開しているWebの特急券に関するページでは、本件に関する記述を見つけることができない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。残念なことである。このルールは、「はやぶさ」という看板列車に関する情報である。したがって、JR東日本のWebにおいても、本件に関する記述を掲載したほうがよいと感じられる。

    かつて、本件について、JR東日本に質問したことがある。

<質問主旨>
    「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する全車指定席の「はやぶさ」については、新幹線自由席特急券で乗車(立席利用)可能か。

     JR東日本から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。余談であるが、これは、JR東日本に限らず鉄道事業者に共通する方針のようである。開示するとどのような不都合が生じるのか、理由を明記してほしいものである。

    「えきねっと」の「よくあるご質問」において、「仙台」というキーワードで検索すると、次なる記述が表示される。
<主旨>
【Q】
    「仙台~盛岡」間の「はやぶさ/こまち」については、自由席特急券で利用可能か。
【A】
    「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて/こまち」については、同区間を相互に利用する場合に限り、自由席特急券で普通車を利用可能である。

    「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて/こまち」は運行本数が少なく、次のとおりである。
【はやぶさ】1時間当たり1本程度
【はやて】定期列車無し。臨時列車の可能性有り。
【こまち】
  【平日】早朝(下り)と深夜(上り)の1往復
  【土休日】日中の1往復が追加されて計2往復

    一方で、JR東日本が公開しているWebの特急券に関するページに、次なる記述が存在する。
<主旨>
    「はやぶさ/こまち/はやて/つばさ/かがやき」においては、満席の場合に新幹線立席特急券を発売することがある。料金は通常期の指定席特急料金から530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。

    一般に、新幹線立席特急券の特長は、次のとおりである。
【対象区間】全車指定席列車が走行する区間
【発売条件】満席時のみ(枚数制限有り)
【対象車両】列車と号車が指定された車両
【着席保証】空席であれば着席可能(予約者優先)
【えきねっと】受け付けない

    「仙台~盛岡」間における任意の2駅間についても、新幹線立席特急券は存在する。その料金は、通常期の「はやぶさ」普通車指定席特急料金の530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。一方で、自由席特急料金は、通常期の「やまびこ」普通車指定席特急料金の530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。どちらも530円引きであるが、もとになる金額が異なる。「やまびこ」普通車指定席特急料金は「はやぶさ」普通車指定席特急料金よりも安価なので、新幹線立席特急券よりも新幹線自由席特急券を利用するほうがお得である(特定特急料金の場合は両者同額)。
    例えば、「仙台~盛岡」間の途中駅停車列車については、次のとおりである。
【新幹線立席特急券】
    通常期の「はやぶさ/こまち」普通車指定席特急料金は、3,380円である。したがって、立席特急料金は、その530円引きの2,850円である。
【新幹線自由席特急券】
    通常期の「はやて/やまびこ」普通車指定席特急料金は、3,170円である。したがって、自由席特急料金は、その530円引きの2,640円である。

    すなわち、「仙台~盛岡」間の途中駅停車の「はやぶさ/こまち」を立席利用する場合の特急料金は、2,850円と2,640円の2種類が存在する。実際には、2,640円のほうが発売される。

途中駅停車の「はやぶさ」で
「仙台~盛岡」間を
立席利用する場合の特急料金

「仙台~盛岡」間の
通常期普通車の特急料金

    新幹線自由席特急券を所持して「はやぶさ/こまち」を立席利用する場合については、新幹線立席特急券よりもお得であることの他にも、次なる利点がある。
【発売日】1か月前
【対象車両】有効日の全列車の普通車(予約者優先)
【えきねっと】受け付ける
    「はやて」については、新幹線自由席特急券も新幹線立席特急券も料金は同じであるが、「はやぶさ/こまち」と同様に上記の利点がある。新幹線特定特急券については、料金は新幹線特定特急券(立席)と同じであるが、同様に上記の利点がある。

    なお、対象列車は次のとおりである。
【新幹線自由席特急券】途中駅停車の「はやぶさ/こまち/はやて」およびすべての「やまびこ」
【新幹線立席特急券】すべての「はやぶさ/こまち/はやて」
    但し、特定特急料金適用区間については特定特急料金であり、対象列車は次のとおりである。
【新幹線特定特急券】途中駅停車の「はやぶさ/こまち/はやて」およびすべての「やまびこ」
【新幹線特定特急券(立席)】途中駅停車の「はやぶさ/こまち/はやて」

    以上をまとめると、次表のとおりである。

「仙台~盛岡」間の立席利用

    「えきねっと」において、途中駅停車の「はやぶさ」を選択しても自由席特急料金は表示されない。自由席特急料金で立席利用することが可能であるということも表示してほしいものである。残念なことである。

    Y!乗換案内アプリの検索結果においては、運賃と料金が表示される。下図はその1例であり、通常期における「はやぶさ101号」の「仙台⇒盛岡」間を検索した結果である。なお、この図は、理解を助けるためのイメージ図であり、実際の画面とは異なる。以下、同様である。

Y!乗換案内アプリの表示例
(理解を助けるためのイメージ図)

    その料金を示している「指定席」をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/グランクラス」の料金と併せて「立席」の料金も表示される。とても良い機能であると感じられる。下図は、その表示例である。

「特別料金」表示例
(「はやぶさ」の場合)

    一方、「やまびこ」の場合は、下図のとおりである。

「特別料金」表示例
(「やまびこ」の場合)

    すなわち、両者には次なる相違点が存在する。
【はやぶさ】自由席特急料金は表示されず、立席特急料金が表示されて「満席時に発売」も併記される。
【やまびこ】自由席特急料金は表示されるが、立席特急料金は表示されない。

    同じ区間であっても、「はやぶさ」と「やまびこ」における扱いの相違がよくわかる。「えきねっと」においても、これくらいの配慮を期待したい。

    なお、途中駅停車の「はやぶさ/こまち」において自由席特急料金で立席利用することが可能である件については、Y!乗換案内アプリにおいても表示されない(「はやて」についても表示されないと推察される)。残念なことである。本件について、Y!乗換案内に進言した(詳細はこちら)。
    下図は、途中駅停車の「はやぶさ/こまち」の場合のY!乗換案内アプリにおける表示案(通常期)である。

「自由席特急料金」表示案

    この場合、「立席(※満席時に発売) 2,850円」を表示したままにして、「立席 2,640円」を追記するという案でも間違いではない。しかし、誰も「立席(※満席時に発売) 2,850円」を購入しようとは思わないので無駄な情報である。

    余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、検索時の設定事項のひとつとして「指定席優先/自由席優先」という選択肢が存在する。Y!乗換案内アプリでは、その設定に応じて、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称を決定している。次のとおりである。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】
  【はやぶさ】指定席
  【やまびこ】自由席
    すなわち、「はやぶさ」の場合、自由席優先を指定しても「指定席」と表示されるのである。「はやぶさ」には自由席が存在しないので、自由席優先を指定しても「指定席」と表示されることは正しい処置である。しかし、「指定席」と表示するのではなく「立席」と表示して、「特別料金」画面において、自由席料金で立席利用することが可能であることを表示してほしいものである。

(2)  盛岡~新青森

    この区間については、厳密に言えば「自由席料金で乗れる」ということではなく、「自由席料金と同一と推察される料金で乗れる」ということである。
    この区間については、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について新幹線特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「はやぶさ」に自由席が存在していれば自由席特急料金として適用されると推察される金額である。
    一般に、新幹線立席特急券は満席時に発売されるが、「盛岡~新青森」間の新幹線特定特急券(立席)は満席でなくても発売される。

    なお、「盛岡~新青森」間については「はやぶさ」だけでなく「はやて」も存在するが、定期列車としては早朝1本(下り)と深夜1本(上り)の1往復だけである。その料金体系は「やまびこ」と全く同じである。

    例えば、「盛岡~新青森」間の特急料金は、次のとおりである。

「盛岡~新青森」間の特急料金

    ネットに、次なる主旨の記事が存在する。
【「はやて号」に立席で乗車する場合は、当該区間の自由席特急券と同じ額である。】
    これは、新幹線特定特急券(立席)の金額が新幹線自由席特急券の金額と同額であるという主旨であると推察されるが、この表現は不適切である。なぜならば、「盛岡~新青森」間においては新幹線自由席特急券が存在しないからである。したがって、「自由席特急券と同じ額」ではなく「もし自由席が存在していれば自由席特急料金として適用されると推察される額」という表現のほうが適切である。

    以上をまとめると、次表のとおりである。

「盛岡~新青森」間の立席利用

    「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用することが可能であるということも表示してほしいものである。残念なことである。
    「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、盛岡~新青森」間における新幹線特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。

    Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/グランクラス」の料金と併せて「特定特急料金」も表示される。前述の「仙台~盛岡」間と比べると、次のとおりである。いずれも、対象となる区間は、括弧内に記述した区間における任意の2駅間である。
【仙台~盛岡】立席特急料金が表示され、「満席時に発売」も併記される(前述のとおり)。
【盛岡~新青森】特定特急料金が表示され、「満席時に発売」は併記されない。

    次なる図は、通常期における「盛岡~新青森」間に関する「はやぶさ」の「特別料金」画面の例である。

盛岡~新青森」間の
「特別料金」画面
(「はやぶさ」の場合)

    なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車/グランクラス」という分類すなわち設備種別で分類している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。

    同じ「はやぶさ」であっても、「仙台~盛岡」間と「盛岡~新青森」間では扱いの相違がよくわかる。「えきねっと」においても、これくらいの配慮を期待したい。

    余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
    すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
    「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。

(3)  新青森~新函館北斗(しんはこだてほくと)

    この区間についても、「盛岡~新青森」間と同様である。すなわち、次のとおりである。

    この区間についても、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について新幹線特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「はやぶさ」に自由席が存在していれば適用されると推察される金額である。
    この区間における任意の2駅間の新幹線特定特急券(立席)は、満席でなくても発売される。

    この区間についても、「はやぶさ」だけでなく「はやて」も存在するが、定期列車としては早朝2本(下り)と深夜2本(上り)の2往復だけである。その料金体系は「はやぶさ」と全く同じである。

    例えば、「新青森~新函館北斗」間の特急料金は、次のとおりである。

新青森~新函館北斗」間の
特急料金

    前述の「盛岡~新青森」間において紹介した「自由席特急券と同じ額」というネット記事については、「新青森~新函館北斗」間についても同様に不適切である。

    「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用することが可能であるということも表示してほしいものである。残念なことである。
    「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、新青森~新函館北斗」間における新幹線特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。

    Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/グランクラス/特定特急料金」の料金も表示される。「特定特急料金」に「満席時に発売」は併記されない。
    なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車/グランクラス」という分類すなわち設備種別で分類している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。

    余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
    すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
    「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。

(4)  盛岡~秋田

    この区間についても、「盛岡~新青森」間と同様である。但し、「はやぶさ/はやて」ではなく「こまち」である。すなわち、次のとおりである。

    この区間についても、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「こまち」に自由席が存在していれば適用されると推察される金額である。
    この区間における任意の2駅間の特定特急券(立席)は、満席でなくても発売される。

    例えば、「盛岡~秋田」間の特急料金は、次のとおりである。

盛岡~秋田」間の特急料金

    「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用することが可能であるということも表示してほしいものである。残念なことである。
    「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、「盛岡~秋田」間における特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。

    Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/特定特急料金」の料金も表示される。「特定特急料金」に「満席時に発売」は併記されない。
    なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車」という分類すなわち設備種別で分類している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。

    余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
    すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
    「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。

(5)  福島~新庄(しんじょう)

    この区間は、仙台以北ではないが関連情報として記述する。
    この区間についても、「盛岡~秋田」間と同様である。但し、「こまち」ではなく「つばさ」である。すなわち、次のとおりである。

    この区間については、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「つばさ」に自由席が存在していれば適用されると推察される金額である。
    この区間における任意の2駅間の特定特急券(立席)は、満席でなくても発売される。

    例えば、「福島~新庄」間の特急料金は、次のとおりである。

福島~新庄」間の特急料金

    「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用することが可能であるということも表示してほしいものである。残念なことである。
    「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、「福島~新庄」間における特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。

    Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/特定特急料金」の料金も表示される。「特定特急料金」に「満席時に発売」は併記されない。
    なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車」という分類すなわち設備種別で分類している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。

    余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
    すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
    「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。

(6)  その他の全車指定席列車走行区間

    この区間は、仙台以北ではないが関連情報として記述する。いずれも、対象となる区間は、カギ括弧内に記述した区間における任意の2駅間である。
① 「東京~仙台」間の「はやぶさ/こまち」
    この列車については、新幹線立席特急券が存在し、満席時に発売されることがある。その料金は、通常期の「はやぶさ/こまち」普通車指定席特急料金の530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。
    なお、「こまち」は、(遅延しない限り)全ての列車が「はやぶさ」に併結される。「東京~盛岡」間の任意の2駅間については、Y!乗換案内アプリの検索結果では「はやぶさ」と「やまびこ」のみ表示され「こまち」が表示されないので、Y!乗換案内アプリにおける立席の表示を確認することは不可能である。
② 「東京~敦賀(つるが)」間の「かがやき」
    この列車についても、新幹線立席特急券が存在し、満席時に発売されることがある。その料金は、自由席特急料金と同額である(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。
③ 「東京~福島」間の「つばさ」
    この列車については、新幹線立席特急券は存在しないと推察される。
    「つばさ」は、一部の列車を除いて(遅延しない限り)「やまびこ」に併結される。「東京~福島」間の任意の2駅間については、Y!乗換案内アプリの検索結果では「やまびこ」に併結されるか否かによって表示が異なる。
【併結有り】「つばさ」が表示されないので、立席の表示を確認することは不可能である。
【併結無し】「指定席」をタッチしても、立席は表示されない。

    本記事においてはY!乗換案内アプリについて記述したが、Y!乗換案内アプリ以外についても調べてみた。
【ナビタイム】
    料金を示す「指定席」をタッチすれば、「指定席/グリーン/グランクラス」の料金が表示される。しかし、立席に関する料金は表示されない。
【ジョルダン乗換案内】
    設備別の料金表示は、有料機能になっている。
【駅すぱあと for web】
    料金を示す「座種」をタッチすれば、「指定席/グリーン/グランクラス/立席」の料金が表示される。立席については、「(※満席時に発売)」も併記される。しかし、「仙台~盛岡」間の任意の2駅間における途中駅停車の「はやぶさ」に関する自由席特急料金は、表示されない。盛岡以北、「盛岡~秋田」間、および「福島~新庄」間については特定特急料金が表示され、「(※満席時に発売)」は併記されない。すなわち、Y!乗換案内アプリと全く同一である。
【駅探(Web版)】
    ナビタイムと全く同一である。

    なお、「大人の休日倶楽部(クラブ)パス」は、新幹線を含めて特急の自由席を何回でも利用することが可能である。普通車指定席を利用する場合は、6回まで無料で利用することが可能である。したがって、全車指定席の列車を利用する場合は、その無料特典を利用するか、別途特急券を購入しなければならない。しかし、仙台以北については、本記事と類似のルールが適用される。
    2018年5月29日(火)に発売された「大人の休日倶楽部パス(東日本)」の「ご案内2」券片には、上記(1)(2)(4)に関連する記述が存在する。次のとおりである。

<ご案内2の主旨>
    「盛岡~新青森」間の駅間および「盛岡~秋田」間の駅間においては、指定券無しで普通車の空席を利用可能である。また「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて」で、同区間を利用する場合も同様である。

【ご案内2】
(2018年6月29日乗車)

    「大人の休日倶楽部」のホームページにおいて、「全車指定席」というキーワードで検索すると、次なるFAQ記事が表示される。
<主旨>
【Q】
    「大人の休日倶楽部パス」で全車指定席の新幹線を利用する場合、指定席券がなくても乗車可能か。
【A】
    東北・北海道新幹線の「盛岡~新函館北斗」間、秋田新幹線の「盛岡~秋田」間、山形新幹線の「福島~新庄」間の各駅相互発着の場合、指定席の利用回数に数えることなく、普通車の空席を利用可能である。また、「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて/こまち」で「仙台~盛岡」間を利用する場合(相互発着に限る)も同様である。

    これは、まさに上記(1)~(5)に関連する記述である。
    なお、この「Q」の文中に存在する「指定席券」という表記は不適切である。正しくは、「指定券」である(詳細はこちら)。もっとも、ここの場合は「A」ではなく「Q」のほうなので利用者目線の用語にしたということかもしれないが、あえて「指定席券」と記述する理由にはならないと感じられる。

乗れなくても見過ごせない!ちちぶ路でインクラインめぐり(埼玉県秩父市(ちちぶし))

2025年5月18日(日)


    大滝(おおたき)発電所と合角(かっかく)ダムに、インクラインが存在する。本日は、それらのインクラインを訪問したい。

行程図

(1)  秩父路遊々フリーきっぷ

    採算は、次のとおりである。
【パス】1,700円
【都度払い】2,800円

    「秩父路(ちちぶじ)遊々フリーきっぷ」は電子きっぷであり、旅情に欠けるのが残念である。

(2)  影森(かげもり)駅

貨物ホーム

昭和電工株式会社の倉庫
昭和電工株式会社現:株式会社レゾナック

    「影森駅⇒貨物線を見渡せる踏切」間の徒歩経路については、影森駅西側に近道が存在する。調査当時のグーグルマップにおいて「影森駅⇒貨物線を見渡せる踏切」間の徒歩経路を表示させてもその経路は表示されない。

近道

(3)  龍河山大渕寺(りゅうがさんだいえんじ)

    ここは、秩父三十四ヶ所観音霊場の札所(ふだしょ)二十七番である。


(4)  三輪線武甲線

    影森から2本の貨物線が延びている。
三輪線】影森~三輪鉱業所
武甲線】影森~秩父鉱業
    三輪(みのわ)線は現役であるが、武甲(ぶこう)線は廃止された。

周辺図

A点における影森側

A点における三峰口

B点における影森

B点における三峰口

B点における三峰口

三輪線

ゲート


    残念ながら、誤植が存在する。
【誤】一車づつ
【正】一車ずつ

三輪鉱業所

C点における影森

C点における三峰口

D点における影森

D点における三峰口

D点における影森側

D点の影森寄り

D点における秩父鉱業側

    ここから先は、遊歩道として整備された。

(5)  西武乗り入れ列車

    この列車は、西武鉄道から秩父鉄道への乗り入れ列車である(詳細はこちら)。この列車を含めて、西武鉄道から秩父鉄道への乗り入れ列車は土日祝日のみの運行である。そのおかげで、本日は行程を早めることができる。


(6)  秩父バス一日乗車券

    採算は、次のとおりである。
【パス】1,000円
【都度払い】1,941円


    バス車内でこれを購入した際、日付の「年」が「24」になっていた。その旨(むね)を運転手に伝えたら、運転手は手書きで「4」の位置に「5」を加筆した。やれやれ。
    本日は、この乗車券をさらに5回利用したが、咎(とが)められることはなかった。

(7)  大滝発電所

    ここには、インクラインが存在する。
【所在地】埼玉県秩父市(ちちぶし)
【種別】ケーブルカー
【設備名称】インクライン
【編成】客車1両×1路線
【運行形態】単線単行方式
【用途】導水管保守(関係者専用)
【最寄りバス停】
  【低位】
    【自由乗降地点】駐車場(歩1分)
    【バス停】強石(こわいし)(歩2分)
  【高位】
    【自由乗降地点】石碑前(歩7分)
    【バス停】強石(歩8分)
【最寄り駅】三峰口
  【低位】歩32分
  【高位】歩35分
航空写真確認困難
【ストリートビュー】確認可能
【管理者】東京発電株式会社
【取水】大滝ダム
【放水】吉野川(よしのがわ)
    グーグルマップにおいて大滝発電所の所在地を探す場合、「大滝発電所」というキーワードを入力しても発電所は候補表示されない。次のとおりである。
  【大滝発電所】取水堰は候補表示されるが発電所は候補表示されない
  【東京 大滝発電所】発電所と取水堰が候補表示される
    但し、「大滝発電所」というキーワードのまま検索開始を指示すると、両者が表示されていずれかを選択する画面となる。
    発電所と取水堰(しゅすいせき)は、直線距離で2km超も離れている。グーグルマップにおいて、両者は次なる名称で示されている。
  【発電所】東京発電(株)大滝発電所
  【取水堰】大滝発電所 取水堰

周辺図
【石碑】高野林太郎の石碑
【道標】御岳山(おんたけさん)登山道入口
【駐車場】発電所駐車場
【A】出入口A
【B】出入口B
【C】出入口C

駐車場看板

出入口A(周辺図参照)

発電所全景

低位側の駅

低位側

出入口B(周辺図参照)

高位側

    御岳山登山道入口経由で上位道路に行ける。

道標

上位道路における低位側

出入口C(周辺図参照)

上位道路における高位側

上位道路における高位側

    「高野林太郎の石碑」経由で高位側の駅に行けるのだが、上位道路からでも行ける。

高位側の駅

高位側の駅における低位側

塵芥処理置場

塵芥輸送機

塵芥回収装置

    この装置の左側に、塵芥(じんかい)輸送機が存在する。それを経由して塵芥処理置場に降ろすと推察される。

(8)  秩父ジオグラビティパーク

    川の中央上空に、バンジージャンプのジャンプ台が存在する。まるで野猿(やえん)のようなスタイルであるが、ジャンプ台が移動するわけではない。利用者は吊り橋を渡ってジャンプ台に移動する。そのスリルも魅力になっていると推察される。

遠景

近景

(9)  三峰口(みつみねぐち)駅
<関東の駅百選>

開業当時の面影を残す素朴な駅

みそポテト

郷愁

構内

線路末端

(10)  SLパレオエクスプレス

    本日は、SLパレオエクスプレスの運行日である。乗車はしないのだが、転車風景を見たことがなかったので、見学する。

三峰口駅到着直前

転車台

転車台

    SLは、三峰口駅に到着後ただちに客車から解結され、1回のスイッチバックを経てから転車台の手前まで移動する。SLの後部を転車台に向けた状態である。ここで、運転士は駅舎に向かう。昼食をとると推察される。保守要員が、給水と給油を行う。12時35分頃に運転士が再びSLに乗車する。そして、SLが転車台に進入する。
    この手順では、SLの後部を転車台に向けた状態で給水給油を行っている。演出という観点で言えば、転車したのちに給水給油を行うほうがよい。理由は、次のとおりである。
① 先に給水給油を行うと、見学者を長く待たせることになる。
② SLの前部を転車台に向けた状態で給水給油を行うほうが、見学者に対して見えがよい。

転回中
    動画はこちら
    転角度は、180度である。1回転余計に回転するという演出は無かった。水上(みなかみ)駅における「SLぐんま」は、1回転余計に回転した。転角度は540度なので、今風に言えばファイブフォーティである(詳細はこちら)。


SL転車台のしくみ

    説明文に示す「セメント工場」は、秩父セメント第一工場のことである。現在は更地になっている。
    なお、残念なことに、誤植が存在する。

残念
【誤】1台づつ
【正】1台ずつ

転線中
    動画はこちら
    転車を終えたSLは、2回のスイッチバックを経てから、後退しながら客車に連結される。

再び客車に連結されたSL

(11)  合角ダム

    ここにも、インクラインが存在する。
【所在地】埼玉県秩父市
【種別】ケーブルカー
【設備名称】インクライン
【編成】貨車1両×1路線
【運行形態】単線単行方式
【用途】船舶輸送(関係者専用)
【最寄りバス停】女形(おながた)入口(歩8分)
航空写真確認可能
【ストリートビュー】確認可能
【投稿写真】確認可能
【管理者】埼玉県庁
【河川】吉田川(よしだがわ)
【ダム湖】西秩父桃湖(にしちちぶももこ)
    調査当時のグーグルマップでは、「管理所」ではなく管理事務所と表記していたが、ストリートビューによると「管理所」であった。グーグルマップに修正を進言したら、速やかに修正された。

周辺図

遠景

近景

    かなり大きな艇庫である。小学校の体育館くらいはある。

銘板

堤体

西秩父桃湖

記念碑

記念碑