乗り鉄の雑学!「えきねっと」の裏ワザ

2022年12月19日(月)


    この記事は、「えきねっと」を利用していて遭遇した問題点とその解決策である。

(1)  他社線乗り入れ列車の指定席

    「特急踊り子(伊東編成)」は、東京伊豆急下田(しもだ)」間において運行されている。その両区間を通して乗車する場合、「えきねっと」でも同一座席の指定席を申し込むことができる。その場合に、JR区間の発(または着)駅として指定可能な駅は、JR全駅である。

発(または着)駅指定可能駅
(伊豆急下田往復の場合)

    ところが、「特急踊り子(修善寺編成)」については、伊東編成とやや異なって、JR区間の発(または着)駅として指定可能な駅は、次図のとおりである。

発(または着)駅指定可能駅
(修善寺往復の場合)

    類似の事例として、特急富士回遊が存在する。特急富士回遊は、JR区間と富士山麓電気鉄道区間において運行されている。その両区間を通して乗車する場合、「えきねっと」でも同一座席の指定席を申し込むことができるのだが、JR区間の発(または着)駅として指定可能な駅は、次図のとおりである。

発(または着)駅指定可能駅
(河口湖往復の場合)

    ここで、「大人の休日倶楽部(クラブ)」ジパング会員割引(以下「大休(おときゅう)30割」)を適用する場合を考えたい。
    大宮~大月(おおつき)」間の片道乗車券の営業キロは100km以下なので、往復乗車券にしても合計の営業キロが200km以下であり、大休(おときゅう)30割を適用することはできない。しかし、大宮~塩山(えんざん)」間や「久喜(くき)~大月」間の往復乗車券にすることによって、合計営業キロが200km超となって大休30割を適用することができる。
    一般に、片道乗車券の営業キロが100km以下のJR東日本およびJR北海道の路線を往復する場合、乗車券の出発地か目的地、あるいはその両方を変更して「100km超120km以下」の区間の往復乗車券にすることによって、大休30割を適用ることができる。その結果、運賃と料金の合計額が一般価格よりも安くなる(関連記事はこちら)。

    富士山麓電気鉄道区間も含めて特急富士回遊の指定席を確保する場合、久喜河口湖(かわぐちこ)」間の往復乗車券を申し込むことはできないのである。したがって、大宮~塩山(えんざん)」間の往復乗車券を指定してJR区間の特急券を申し込み、富士山麓電気鉄道区間の特急券については、「えきねっと」以外の手段で購入するしかない。

    なお、「えきねっと」によって申し込む場合、上述で可能と記述してあっても、次なる場合は申し込むことはできない。
① 2列車以上の座席指定が必要で出発日が同一でない場合
② 指定席対象列車が4列車以上の場合

(2)  東北新幹線における「つばさ号」利用

    「仙台⇒大宮」間のうち、「仙台⇒福島」間については在来線を利用する。「福島⇒大宮」間のみ新幹線利用であるが、「やまびこ154号」ではなく「つばさ154号」を利用したい。その理由は、次のとおりである。
① 「つばさ154号」は「やまびこ154号」よりも空席が多い。
② 「やまびこ154号」はE2系なので電源コンセントが無いが、「つばさ154号」はE3系なので電源コンセントがある。

    したがって、次なる条件を設定した。
  【乗車駅】仙台
  【降車駅】大宮
  【経由駅】船岡(宮城県)
  【日時】(2022年)10月25日(火)15時55分出発
    検索結果は、次のとおりである。
    「仙台⇒福島」間については、いずれも在来線利用になっていて問題無い。
    「福島⇒大宮」間については、次のとおりである。
    第1候補:やまびこ152号
    第2候補:やまびこ154号
    第3候補:やまびこ218号
    実際には、「やまびこ154号」に併結されて「つばさ154号」も存在するのだが、「つばさ154号」は表示されない。「やまびこ154号」を選択してから「つばさ154号」に選択しなおすということもできない。

    そこで、「やまびこ152号」を選択してから「つばさ154号」に選択しなおすという裏ワザがあるのだが、それを行うと「仙台⇒福島」間が在来線利用ではなく新幹線利用になってしまう。
    この問題の解決策として、次なる手段が存在する。
① 乗車券の区間を「東福島⇒大宮」間として「やまびこ152号」を選択する
② 「やまびこ152号」を「つばさ154号」に選択しなおして乗車券と特急券を購入する
    (「やまびこ154号」を選択しても「つばさ154号」に選択しなおすことはできない)
③ 窓口において乗車券を「仙台市内⇒大宮」間に変更する

経路変更例