ICカードが普及するにつれ、きっぷを知らない小学生が増えているという記事を読んだことがある。また、大人であっても、若年層において「運賃が同じだから同一の片道乗車券を2枚購入すれば往復することができる」と誤解しているという記事を読んだことがある。きっぷに関する常識が失われつつある。
ところで、この「きっぷ」であるが、「切符」とは異なる。JRにおいては、「きっぷ」と「切符」は、明確に使い分けられている。
【きっぷ】旅客(りょかく)を輸送する場合
【例】きっぷうりば/フリーきっぷ
「きっぷうりば」については、「きっぷ売り場」でもよいのだが、子供でも読めることと美的バランスの観点から、多くの駅において「きっぷうりば」が採用されている。
【切符】荷物を輸送する場合
【例】手回り品切符/手荷物切符/遺失物切符/一時預かり品切符
(1) きっぷ
ほとんどの「きっぷ」において、「きっぷ」という表記は存在しない。
(2) 切符
かつての時刻表においては、小荷物、手荷物、および手回り品に関する記述が存在した。しかし、現在の時刻表においては、手回り品に関する記述は存在するが、小荷物や手荷物に関する記述は存在しない。今や死語であろうか。
【小荷物】配達有り
【手荷物】配達無し(駅留め)
【手回り品】車内持ち込み品
【手荷物】配達無し(駅留め)
【手回り品】車内持ち込み品
① 国鉄荷物引受票(小荷物)
帰省旅行時に、事前に我が子の衣類を帰省先に送付した。当時は、宅配便というサービスが無かった。
(3) 例外事例
① JR
知識が継承されていないことのあらわれである。残念なことである。
② 上毛(じょうもう)電気鉄道