首都圏において、1枚のグリーン券で複数の普通列車(快速を含む)のグリーン車を乗り継ぐ場合は、改札口を出ずに同一方向であれば可能である。そのこと自体は、利用者にとって嬉しい限りである。
ところが、普通列車(快速を含む)のグリーン車が自由席であるがゆえに不正乗車の温床となる可能性を秘めている。改札口を出場すると前途無効であるということを周知徹底することは、困難なことであると感じられる。
次なる状況を想定する。
① A駅からB駅経由でC駅へ行く。
② 乗車券についてはSuica(スイカ)を利用する。
③ 「A⇒C」間のSuicaグリーン券を利用する。
ここで、次なる2通りが想定される。
【OKケース】
① A駅においてSuicaで入場し、グリーン車に乗車する。
② B駅において改札口を出ずに、後続列車のグリーン車に乗車する。
③ C駅においてSuicaで出場する。
【NGケース】
① A駅においてSuicaで入場し、グリーン車に乗車する。
② B駅においてSuicaで出場する。
③ B駅においてSuicaで入場し、後続列車のグリーン車に乗車する。
④ C駅においてSuicaで出場する。
すなわち、NGケースでは、途中で改札口を出たにもかかわらず1枚のSuicaグリーン券でふたつの列車のグリーン車に乗車することができてしまう。しかし、これは不正乗車である。なぜならば、B駅において改札口を出た時点で、そのSuicaグリーン券は無効となるからである。
乗車券やグリーン券が紙きっぷである場合も同様である。
このことは、普通列車(快速を含む)のグリーン車に限ったことではない。自由席車両のある特急列車においても同様である。かつて自動改札機が存在しなかった時代では、特急列車到着時には駅員が特急券を確認するように努めていた。しかし、自動改札機が登場すると、誰しもが乗車券だけを改札機に投入して入出場するようになった。もし乗車中に自由席利用者に対する検札がなければ、自由席特急券は未使用状態で手元に残り、後続の特急列車の自由席に乗車することができてしまうのである。
JRグループは、このような状況を承知していると推察されるが、その対策は、自由席利用者に対する検札と捺印ということしかない。いっそのこと、規則を変更して、何度でも後続列車で利用することができるということにしてほしいものである。
普通列車(快速を含む)のグリーン車においては赤点灯座席の乗客に対してアテンダントが検札するが、乗車券も併せて検札するということをしない。乗車券も併せて検札すれば、乗車券の乗車駅やSuicaの入場駅がグリーン券の中間駅であ場合、グリーン券が使用済みではないかと追及することが可能である。ただし、これは乗客がグリーン券については未使用であると主張する可能性もある。決定的な解決策は、やはり、何度でも後続列車で利用することができるという規則にすることであると感じられる。
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