驚きの「変更」回数無制限!大休パスの指定券

2020年9月3日(木)


    JRの指定席は、出発前であれば、1回限り手数料なしで「変更」することができる。一度「変更」すると、再度の「変更」を防ぐために、「変更」後の切符に「乗変」の文字が印字もしくは捺印される。「乗変」とは「乗車券類変更」の略である。

「変更」後のB自由席特急券
「乗変」の印字付き

「変更」後のB特急券
「乗変」の捺印付き

    さて、本題に移りたい。JR東日本とJR北海道は、「大人の休日倶楽部(クラブ)パス」(以下「大休(おときゅう)パス」)という切符を発売している。その切符では、あらかじめ座席の指定を受けることによって普通車指定席を6回まで利用することができる。私は、2018年6月にその切符の東日本版を利用したことがある(詳細はこちら)。その際に、新幹線などの普通車指定席も確保した。その新幹線指定券を「変更」した際に、受け取った「変更」後の新幹線指定券に「乗変」の文字が無かった。

「変更」後の新幹線指定券
(とき456号をとき454号に変更)
「乗変」の文字が無い

    これでは再度「変更」することができてしまう。当時、私は、窓口担当者が「変更」として発券せずに誤って新規発券したのであろうと考えた。
    しかし、今思い返してみると、大休パスの場合は特例があって、窓口担当者の処理は正しかったという可能性も否定できないと考えた。大休パスに関するホームページを見たが、変更回数に言及した記述を見つけることができない。

     JR東日本とJR北海道に質問してみた。

<質問主旨>
     大休パスの指定券の変更回数は、無制限か、それとも(原則どおり)1回限りか。

    両社から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

     JR以外のネット記事も探してみたが、本件に言及している記事を見つけることができなかった。利用者は誰も知らないという可能性が強い。
    変更回数無制限というのは利用者にとって重要な情報であり、ホームページに記載されるべき事項であると感じられる。

    なお、心配なこともある。悪意のある利用者が何度も変更手続きしたら駅の「みどりの窓口」が業務に支障をきたすことになる。威力業務妨害罪となるかもしれない。このような事情もあって、変更回数無制限であることをホームページに記載していないのかもしれない。
    変更回数無制限というルールをホームページに記載しないのであれば、JR東日本とJR北海道にとって、これは全くメリットの無いルールである。いっそのこと原則どおり1回限りにしたほうが良いように感じられる。

    JR九州とJR西日本については、次なる切符が指定券「変更」回数無制限である。

<JR九州/JR西日本>
    みんなの九州きっぷ

<JR九州>
①みんなの九州きっぷ(ハロー!自由時間クラブ会員限定)
②ハロー!自由時間パス
③ハロー!自由時間ネットパス

     なお、JR九州のホームページでは、②③の指定券「変更」回数に関する記載を見つけることができない。

     JR九州に質問してみた。

<質問主旨>
    次なる切符の指定券の変更回数は、無制限か、それとも(原則どおり)1回限りか。
①ハロー!自由時間パス
②ハロー!自由時間ネットパス

     JR九州から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

    JR東海、JR四国、私鉄の各社のホームページでは、指定券の「変更」回数について、無制限である切符も一切言及していない切符も見つけることはできなかった。


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