中高生だけじゃない!中高年の味方「青春18きっぷ」

2024年9月9日(月)


    先月、久しぶりに「青春18きっぷ」を利用した。「青春18きっぷ」の価格は12,050円であり、利用期間中に計5日間利用することが可能である。したがって、1日分相当額の価格は2,410円である。首都圏には他にも各種のフリーきっぷが存在するが、「青春18きっぷ」を1日乗車券として考えるとかなりお得である。
【都区内パス】760円
    フリーエリアは都区内。
【東京フリーきっぷ】1,600円
    フリーエリアは都区内。東京メトロと都営地下鉄も含む。
【ときわ路パス】2,180円
    フリーエリアは茨城県内。栃木県内の一部を含む。私鉄含む。期間限定。土日祝日限定。
青春18きっぷ】2,410円
    フリーエリアは全国。繁忙期限定。
【ぐんまワンデーローカルパス】2,500円
    フリーエリアは群馬県内栃木県内の一部を含む私鉄含む。
【のんびりホリデーSuica(スイカ)パス】2,670円
    フリーエリアは、東京からの営業キロが約80km以内。土日祝日限定。
【休日おでかけパス】2,720円
    フリーエリアは、東京からの営業キロが約80km以内。土日祝日限定。
【サンキュー♥ちばフリーパス】3,970円
    フリーエリアは千葉県内。私鉄含む。閑散期限定。有効期間2日。
【サンキュー♥ちばフリー乗車券】4,790円
    フリーエリアは千葉県内。私鉄含む。都区内発着。閑散期限定。有効期間2日。

    「青春18きっぷ」における最大の制限は、新幹線や在来線特急列車に乗車する場合の乗車券として利用することができない点である。しかし、首都圏の普通列車(快速を含む)には、グリーン車が存在し、そのグリーン券をポイント交換によって利用すれば、安価に快適な旅を実現することができる。
    現役の時は、土日祝日で5回使い切ることは困難であったが、引退した身となっては、土日祝日に限らず平日でも出かけることができるので、使い切ることは容易である。
    「青春18きっぷ」というのは、18歳前後の若者だけでなくシニア世代にも向いているように感じられる。実際に、先月21日(日)に小田原に行った際には、私の他にも有人改札口で「青春18きっぷ」を見せて通り抜けるシニア世代を多く目撃した。しかし、「青春18きっぷ」を利用している中学生や高校生を目撃することは無かった。

    新幹線や在来線特急列車を利用しない日帰り旅というのは、現実的には片道営業キロ100km範囲内であると感じられる。すなわち「青春18きっぷ」を1日乗車券というイメージで捉えた場合、どのような地域が最適であるか検討した。
① 途中下車前途無効となる経路である
② 他のフリーきっぷのフリーエリアではない経路である
③ 路線バスの運行やイベント開催の都合で平日限定の旅である
④ 「大人の休日倶楽部(クラブ)」ジパング会員割引(以下「大休(おときゅう)30割」)やジパング倶楽部割引(以下「ジ3割」)を適用できない日や経路である

    これらの条件を考えると、首都圏においては南房総の日帰り旅が最も適していると感じられる。
    房総半島については、途中下車前途有効な乗車券を利用することは、困難なことである。船橋(ふなばし)発着で房総半島を巡る乗車券を用意しても、それは途中下車前途無効である。途中下車前途有効にするためには、東京近郊区間外の区間を含めるか、新幹線区間を含めなければならない(詳細はこちら)。
    東京近郊区間の最遠駅は千葉県からかなり遠いので、東京近郊区間外の区間を含める案は非現実的である。
    新幹線区間を含めるには、「上野~東京」間を含めば充分である。しかし、「上野⇔安房鴨川(あわかもがわ)」間の往復乗車券を申し込んでも、「東京山手線内⇔安房鴨川」間という往復乗車券となって、これは途中下車前途無効である。したがって、「三河島(みかわしま)⇒安房鴨川」間と「安房鴨川⇒船橋」間の連続乗車券にせざるをえない「三河島⇒安房鴨川」間の「上野⇒東京」間を新幹線経由にすれば、往路においては途中下車前途有効である。しかし、復路については途中下車前途無効である。往復いずれも途中下車前途有効にするには、「三河島~安房鴨川」間の往復乗車券にして、「上野~東京」間を新幹線経由にすればよい。往復乗車券については「えきねっと」で申し込むことができるが、連続乗車券については「みどりの窓口」か旅行会社に申し込まなければならない。
    房総半島に限らず千葉県内については、どこへ行こうにもこの問題がつきまとう。悩ましいことである。
    なお、千葉県以外では、次なる方面も同様である。
【常磐線】
    途中下車前途有効にするには、大宮発にして「大宮~上野」間を新幹線経由にすればよい。但し、茨城県内については、「ときわ路パス」が存在する。
【中央本線】
    途中下車前途有効にするには、三河島発にして「上野~東京」間を新幹線経由にすればよい。
【東海道本線】
    途中下車前途有効にするには、東海道新幹線経由にすればよいのだが、大休30割ではなくジ3割にせざるをえない。ポイントのことを考慮すると「えきねっと」による申し込みが望ましいのだが、「えきねっと」ではジ3割を適用することができない。したがって、ジ3割ではなく大休30割の条件を満足するほうがよい。大休30割にするには、三河島発にして「上野~東京」間を新幹線経由にすればよい。

    また、南房総を訪問する場合は、大休30割を適用可能であるが、やはり青春18きっぷ」1日分相当額のほうがお得である。

    例えば、「船橋~安房鴨川」間を往復する場合の運賃比較は、次のとおりである。
① 青春18きっぷ2,410円
    この金額は、1日分相当額である。土日祝日に限らず平日でも利用可能であるが、春休み、夏休み、冬休みの期間限定である。利用期間内に5日分使い切れば、この案が最もお得である。なお、特急列車を利用することはできない
② 大休30割(往復)3,220円
    経路指定無しの「東京都区内⇔安房鴨川」間の往復乗車券の場合、「ゆき」も「かえり」も途中下車前途無効である。「えきねっと」申し込み可能である。
③ 大休30割(連続)3,450円
    「三河島⇒茂原⇒安房鴨川」(連続1)と「安房鴨川⇒船橋(連続2)の連続乗車券において、「上野⇒東京」間を新幹線経由にした場合、連続1は途中下車前途有効である。連続2途中下車前途無効である。「三河島~東京」間については、権利放棄である。「えきねっと」申し込み不可である。

②案と③案

④ 大休30割(往復)3,680円
    「三河島⇔安房鴨川」の往復乗車券において、「上野~東京」間を新幹線経由にした場合、「ゆき」も「かえり」も途中下車前途有効である。「三河島~東京」間については、権利放棄である。「えきねっと」申し込み可能であるが、「みどりの窓口」において「上野~東京」間を新幹線経由とする変更が必要である
⑤ 大休30割(連続)3,910円
    三河島⇒館山⇒安房鴨川⇒蘇我(そが)」(連続1)と「蘇我⇒船橋」(連続2)の連続乗車券において、「上野⇒東京」間を新幹線経由にすれば、連続1は途中下車前途有効である。連続2は途中下車前途無効である。「三河島~東京」間については、権利放棄である。「えきねっと」申し込み不可である。

④案と⑤案

⑥ サンキュー♥ちばフリーパス3,970円
    千葉県内発着。私鉄やバスを含む。期間限定。2日間有効
⑦ のんびりホリデーSuicaパス+α4,650円
    「+α」は、「茂原⇔安房鴨川」間の往復運賃である。土日祝日限定である。久留里(くるり)線を含まない(久留里線には自動改札機が存在しない)
⑧ 休日おでかけパス+α4,700円
    +α」は、「茂原⇔安房鴨川」間の往復運賃である。土日祝日限定である。
⑨ サンキュー♥ちばフリー乗車券4,790円
    東京都区内発着。私鉄やバス含む。期間限定。2日間有効

    結局、特別な事情が無い限り、南房総の日帰り旅には「青春18きっぷ」が最も適していると感じられる。したがって、「青春18きっぷ」の利用期間以外に南房総を訪れるにはお得な手段が無く、南房総を巡る際はその時期を考慮することが重要である。
    但し、サンキュー♥ちばフリーパス」を利用して日帰り旅行を2日間連続で実施すると、1日分相当額は1,985円であり、「青春18きっぷ」よりもお得である。

    なお、房総半島においては、特急列車が存在する。前述の大休30割(②~⑤)案では、特急料金も大休30割適用可能である。しかし、その運行本数は少なく、運行区間も短い。したがって、快速のグリーン車を利用することも一考に値する。特急では「青春18きっぷ」を利用することはできないが、快速であれば「青春18きっぷ」を利用することができる。
    房総半島の特急と快速については、次のとおりである。
【総武本線】しおさい
    「東京~佐倉(さくら)」間については、「東京~成田空港」間の快速が多く存在する。
【外房線】わかしお
    「東京~上総一ノ宮(かずさいちのみや)間については快速が存在する。但し、土日祝日限定であり運行本数は少ない。
【内房線】さざなみ
    特急については、平日は「東京~君津」間であり、土日祝日は「東京~館山」間である。但し、いずれも本数は少ない。
    「東京~君津間については快速が多く存在する。但し、主に土日祝日運行であり平日の運行本数は少ない。

    余談であるが、「青春18きっぷ」は、当初「青春18のびのびきっぷ」と称していた。しかし、名称が長すぎるという理由により、その後「青春18きっぷ」に改称された。私が思うに、「青春きっぷ」で充分であると感じられる。命名というのは、言いやすいということが重要である。

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