新幹線「はやぶさ」は全車指定席であるが、仙台以北については、座席を確保しなくても乗車することすなわち立席(たちせき)利用することができる。立席利用とは、次のとおりである。
① 対象は普通車指定席である。
② 空席状態であればどの座席でも着席することができる(発売済の座席でも構わない)。
③ 着席後に、予約済であることを示すきっぷなどを持参する乗客が来れば、立ち退かなければならない。
④ ③の場合に別の空席に着席することができる。
⑤ 実際に満席であればデッキに滞在することとなる。
その料金体系は、区間によって微妙に異なる。本記事では、区間別にその料金体系を記述する。
(赤色と青色)
(1) 仙台~盛岡
2018年7月1日(日)に、仙台駅において、「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ」については、新幹線自由席特急券で立席利用することができるという主旨の案内を目にした。
JR東日本が公開しているWebの特急券に関するページでは、本件に関する記述を見つけることができない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。残念なことである。このルールは、「はやぶさ」という看板列車に関する情報である。したがって、JR東日本のWebにおいても、本件に関する記述を掲載したほうがよいと感じられる。
かつて、本件について、JR東日本に質問したことがある。
<質問主旨>
「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する全車指定席の「はやぶさ」については、新幹線自由席特急券で乗車(立席利用)可能か。
JR東日本から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。余談であるが、これは、JR東日本に限らず鉄道事業者に共通する方針のようである。開示するとどのような不都合が生じるのか、理由を明記してほしいものである。
「えきねっと」の「よくあるご質問」において、「仙台」というキーワードで検索すると、次なる記述が表示される。
<主旨>
【Q】
「仙台~盛岡」間の「はやぶさ/こまち」については、自由席特急券で利用可能か。
【A】
「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて/こまち」については、同区間を相互に利用する場合に限り、自由席特急券で普通車を利用可能である。
「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて/こまち」は運行本数が少なく、次のとおりである。
【はやぶさ】1時間当たり1本程度
【はやて】定期列車無し。臨時列車の可能性有り。
【こまち】
【平日】早朝(下り)と深夜(上り)の1往復
【土休日】日中の1往復が追加されて計2往復
一方で、JR東日本が公開しているWebの特急券に関するページに、次なる記述が存在する。
<主旨>
「はやぶさ/こまち/はやて/つばさ/かがやき」においては、満席の場合に新幹線立席特急券を発売することがある。料金は通常期の指定席特急料金から530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。
一般に、新幹線立席特急券の特長は、次のとおりである。
【対象区間】全車指定席列車が走行する区間
【発売条件】満席時のみ(枚数制限有り)
【対象車両】列車と号車が指定された車両
【着席保証】空席であれば着席可能(予約者優先)
【えきねっと】受け付けない
「仙台~盛岡」間における任意の2駅間についても、新幹線立席特急券は存在する。その料金は、通常期の「はやぶさ」普通車指定席特急料金の530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。一方で、自由席特急料金は、通常期の「やまびこ」普通車指定席特急料金の530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。どちらも530円引きであるが、もとになる金額が異なる。「やまびこ」普通車指定席特急料金は「はやぶさ」普通車指定席特急料金よりも安価なので、新幹線立席特急券よりも新幹線自由席特急券を利用するほうがお得である(特定特急料金の場合は両者同額)。
例えば、「仙台~盛岡」間の途中駅停車列車については、次のとおりである。
【新幹線立席特急券】
通常期の「はやぶさ/こまち」普通車指定席特急料金は、3,380円である。したがって、立席特急料金は、その530円引きの2,850円である。
【新幹線自由席特急券】
通常期の「はやて/やまびこ」普通車指定席特急料金は、3,170円である。したがって、自由席特急料金は、その530円引きの2,640円である。
すなわち、「仙台~盛岡」間の途中駅停車の「はやぶさ/こまち」を立席利用する場合の特急料金は、2,850円と2,640円の2種類が存在する。実際には、2,640円のほうが発売される。
途中駅停車の「はやぶさ」で
「仙台~盛岡」間を
立席利用する場合の特急料金
新幹線自由席特急券を所持して「はやぶさ/こまち」を立席利用する場合については、新幹線立席特急券よりもお得であることの他にも、次なる利点がある。
【発売日】1か月前
【対象車両】有効日の全列車の普通車(予約者優先)
【えきねっと】受け付ける
「はやて」については、新幹線自由席特急券も新幹線立席特急券も料金は同じであるが、「はやぶさ/こまち」と同様に上記の利点がある。新幹線特定特急券については、料金は新幹線特定特急券(立席)と同じであるが、同様に上記の利点がある。
なお、対象列車は次のとおりである。
【新幹線自由席特急券】途中駅停車の「はやぶさ/こまち/はやて」およびすべての「やまびこ」
【新幹線立席特急券】すべての「はやぶさ/こまち/はやて」
但し、特定特急料金適用区間については特定特急料金であり、対象列車は次のとおりである。
【新幹線特定特急券】途中駅停車の「はやぶさ/こまち/はやて」およびすべての「やまびこ」
【新幹線特定特急券(立席)】途中駅停車の「はやぶさ/こまち/はやて」
以上をまとめると、次表のとおりである。
「えきねっと」において、途中駅停車の「はやぶさ」を選択しても自由席特急料金は表示されない。自由席特急料金で立席利用できるということも表示してほしいものである。残念なことである。
Y!乗換案内アプリの検索結果においては、運賃と料金が表示される。下図はその1例であり、通常期における「はやぶさ101号」の「仙台⇒盛岡」間を検索した結果である。なお、この図は、理解を助けるためのイメージ図であり、実際の画面とは異なる。以下、同様である。
(理解を助けるためのイメージ図)
その料金を示している「指定席」をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/グランクラス」の料金と併せて「立席」の料金も表示される。とても良い機能であると感じられる。下図は、その表示例である。
(「はやぶさ」の場合)
一方、「やまびこ」の場合は、下図のとおりである。
すなわち、両者には次なる相違点が存在する。
【はやぶさ】自由席特急料金は表示されず、立席特急料金が表示されて「満席時に発売」も併記される。
【やまびこ】自由席特急料金は表示されるが、立席特急料金は表示されない。
同じ区間であっても、「はやぶさ」と「やまびこ」における扱いの相違がよくわかる。「えきねっと」においても、これくらいの配慮を期待したい。
なお、途中駅停車の「はやぶさ/こまち」において自由席特急料金で立席利用することができる件については、Y!乗換案内アプリにおいても表示されない(「はやて」についても表示されないと推察される)。残念なことである。本件について、Y!乗換案内に進言した(詳細はこちら)。
下図は、途中駅停車の「はやぶさ/こまち」の場合のY!乗換案内における表示案(通常期)である。
この場合、「立席(※満席時に発売) 2,850円」を表示したままにして、「立席 2,640円」を追記するという案でも間違いではない。しかし、誰も「立席(※満席時に発売) 2,850円」を購入しようとは思わないので無駄な情報である。
余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、検索時の設定事項のひとつとして「指定席優先/自由席優先」という選択肢が存在する。Y!乗換案内アプリでは、その設定に応じて、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称を決定している。次のとおりである。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】
【はやぶさ】指定席
【やまびこ】自由席
すなわち、「はやぶさ」の場合、自由席優先を指定しても「指定席」と表示されるのである。「はやぶさ」には自由席が存在しないので、自由席優先を指定しても「指定席」と表示されることは正しい処置である。しかし、「指定席」と表示するのではなく「立席」と表示して、「特別料金」画面において、自由席料金で立席利用できることを表示してほしいものである。
(2) 盛岡~新青森
この区間については、厳密に言えば「自由席料金で乗れる」ということではなく、「自由席料金と同一と推察される料金で乗れる」ということである。
この区間については、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について新幹線特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「はやぶさ」に自由席が存在していれば自由席特急料金として適用されると推察される金額である。
一般に、新幹線立席特急券は満席時に発売されるが、「盛岡~新青森」間の新幹線特定特急券(立席)は満席でなくても発売される。
なお、「盛岡~新青森」間については「はやぶさ」だけでなく「はやて」も存在するが、定期列車としては早朝1本(下り)と深夜1本(上り)の1往復だけである。その料金体系は「やまびこ」と全く同じである。
例えば、「盛岡~新青森」間の特急料金は、次のとおりである。
「盛岡~新青森」間の特急料金
ネットに、次なる主旨の記事が存在する。
【「はやて号」に立席で乗車する場合は、当該区間の自由席特急券と同じ額である。】
これは、新幹線特定特急券(立席)の金額が新幹線自由席特急券の金額と同額であるという主旨であると推察されるが、この表現は不適切である。なぜならば、「盛岡~新青森」間においては新幹線自由席特急券が存在しないからである。したがって、「自由席特急券と同じ額」ではなく「もし自由席が存在していれば自由席特急料金として適用されると推察される額」という表現のほうが適切である。
以上をまとめると、次表のとおりである。
「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用できるということも表示してほしいものである。残念なことである。
「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、「盛岡~新青森」間における新幹線特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。
Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/グランクラス」の料金と併せて「特定特急料金」も表示される。前述の「仙台~盛岡」間と比べると、次のとおりである。いずれも、対象となる区間は、括弧内に記述した区間における任意の2駅間である。
【仙台~盛岡】立席特急料金が表示され、「満席時に発売」も併記される(前述のとおり)。
【盛岡~新青森】特定特急料金が表示され、「満席時に発売」は併記されない。
次なる図は、通常期における「盛岡~新青森」間に関する「はやぶさ」の「特別料金」画面の例である。
「特別料金」画面
(「はやぶさ」の場合)
なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車/グランクラス」という分類すなわち設備別に記載している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。
同じ「はやぶさ」であっても、「仙台~盛岡」間と「盛岡~新青森」間では扱いの相違がよくわかる。「えきねっと」においても、これくらいの配慮を期待したい。
余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。
(3) 新青森~新函館北斗(しんはこだてほくと)
この区間についても、「盛岡~新青森」間と同様である。すなわち、次のとおりである。
この区間についても、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について新幹線特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「はやぶさ」に自由席が存在していれば適用されると推察される金額である。
この区間における任意の2駅間の新幹線特定特急券(立席)は、満席でなくても発売される。
この区間についても、「はやぶさ」だけでなく「はやて」も存在するが、定期列車としては早朝2本(下り)と深夜2本(上り)の2往復だけである。その料金体系は「はやぶさ」と全く同じである。
前述の「盛岡~新青森」間において紹介した「自由席特急券と同じ額」というネット記事については、「新青森~新函館北斗」間についても同様に不適切である。
「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用できるということも表示してほしいものである。残念なことである。
「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、「新青森~新函館北斗」間における新幹線特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。
Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/グランクラス/特定特急料金」の料金も表示される。「特定特急料金」に「満席時に発売」は併記されない。
なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車/グランクラス」という分類すなわち設備別に記載している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。
余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。
(4) 盛岡~秋田
この区間についても、「盛岡~新青森」間と同様である。但し、「はやぶさ/はやて」ではなく「こまち」である。すなわち、次のとおりである。
この区間についても、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「こまち」に自由席が存在していれば適用されると推察される金額である。
この区間における任意の2駅間の特定特急券(立席)は、満席でなくても発売される。
「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用できるということも表示してほしいものである。残念なことである。
「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、「盛岡~秋田」間における特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。
Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/特定特急料金」の料金も表示される。「特定特急料金」に「満席時に発売」は併記されない。
なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車」という分類すなわち設備別に記載している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。
余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。
(5) 福島~新庄(しんじょう)
この区間は、仙台以北ではないが関連情報として記述する。
この区間についても、「盛岡~秋田」間と同様である。但し、「こまち」ではなく「つばさ」である。すなわち、次のとおりである。
この区間については、自由席車両を伴う列車が存在しないので、自由席特急料金は存在しない。しかし、この区間における任意の2駅間について特定特急券(立席)が存在し、その料金は特定特急料金である。この金額は、もし「つばさ」に自由席が存在していれば適用されると推察される金額である。
この区間における任意の2駅間の特定特急券(立席)は、満席でなくても発売される。
「えきねっと」では、特定特急料金は表示されない。地元以外の利用者には知ってほしくないという願望が透けて見える。特定特急料金で立席利用できるということも表示してほしいものである。残念なことである。
「えきねっと」では受け付けないので、表示しなくて当然であるという意見もあるかもしれない。しかし、「えきねっと」では、普通列車のグリーン券を受け付けないにもかかわらず、普通列車のグリーン料金を参考に表示している。その方針に準じれば、特定特急料金を表示すべきである。というよりも、「福島~新庄」間における特定特急券(立席)は満席時でなくても発売されるので、「えきねっと」で受け付けるようにしてほしいものである。
Y!乗換案内アプリの検索結果において「指定席」(自由席優先を指定して検索した場合は「特急料金」)をタッチすると、「特別料金」という画面に遷移して、参考として「指定席/グリーン車/特定特急料金」の料金も表示される。「特定特急料金」に「満席時に発売」は併記されない。
なお、「特別料金」画面における「特定特急料金」という表記は、間違いではないのだが不適切である。ここでは、「指定席/グリーン車」という分類すなわち設備別に記載している。したがって、その分類に合致した表記としては、「特定特急料金」ではなく「立席」である。
余談であるが、Y!乗換案内アプリでは、「特別料金」に遷移するためのタッチエリアの名称について、次のとおり決定している。
【指定席優先を指定した場合】指定席
【自由席優先を指定した場合】特急料金
すなわち、自由席優先を指定すると「特急料金」と表示されて特定特急料金が表示されるのである。立席は自由席とは異なるので「自由席」と表示するわけにはいかないのである。しかし、ここでは、指定席か自由席かという設備種別で分類しているので、「特急料金」ではなく「立席」と表示したほうがよいと感じられる。
「仙台~盛岡」間では、自由席優先を指定しても「指定席」と表示される(前述のとおり)ので、この点においても「仙台~盛岡」間途中駅停車の「はやぶさ/こまち」とは扱いが異なっている。
(6) その他の全車指定席列車走行区間
この区間は、仙台以北ではないが関連情報として記述する。いずれも、対象となる区間は、カギ括弧内に記述した区間における任意の2駅間である。
① 「東京~仙台」間の「はやぶさ/こまち」
この列車については、新幹線立席特急券が存在し、満席時に発売されることがある。その料金は、通常期の「はやぶさ/こまち」普通車指定席特急料金の530円引きである(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。
なお、「こまち」は、(遅延しない限り)全ての列車が「はやぶさ」に併結される。「東京~盛岡」間の任意の2駅間については、Y!乗換案内アプリの検索結果では「はやぶさ」と「やまびこ」のみ表示され「こまち」が表示されないので、Y!乗換案内アプリにおける立席の表示を確認することはできない。
② 「東京~敦賀(つるが)」間の「かがやき」
この列車についても、新幹線立席特急券が存在し、満席時に発売されることがある。その料金は、自由席特急料金と同額である(特定特急料金適用区間については特定特急料金)。
③ 「東京~福島」間の「つばさ」
この列車については、新幹線立席特急券は存在しないと推察される。
「つばさ」は、一部の列車を除いて(遅延しない限り)「やまびこ」に併結される。「東京~福島」間の任意の2駅間については、Y!乗換案内アプリの検索結果では「やまびこ」に併結されるか否かによって表示が異なる。
【併結有り】「つばさ」が表示されないので、立席の表示を確認することはできない。
【併結無し】「指定席」をタッチしても、立席は表示されない。
本記事においてはY!乗換案内アプリについて記述したが、Y!乗換案内アプリ以外についても調べてみた。
【ナビタイム】
料金を示す「指定席」をタッチすれば、「指定席/グリーン/グランクラス」の料金が表示される。しかし、立席に関する料金は表示されない。
【ジョルダン乗換案内】
設備別の料金表示は、有料機能になっている。
【駅すぱあと for web】
料金を示す「座種」をタッチすれば、「指定席/グリーン/グランクラス/立席」の料金が表示される。立席については、「(※満席時に発売)」も併記される。しかし、「仙台~盛岡」間の任意の2駅間における途中駅停車の「はやぶさ」に関する自由席特急料金は、表示されない。盛岡以北、「盛岡~秋田」間、および「福島~新庄」間については特定特急料金が表示され、「(※満席時に発売)」は併記されない。すなわち、Y!乗換案内アプリと全く同一である。
【駅探(Web版)】
ナビタイムと全く同一である。
なお、「大人の休日倶楽部(クラブ)パス」は、新幹線を含めて特急の自由席を何回でも利用することができる。普通車指定席を利用する場合は、6回まで無料で利用することができる。したがって、全車指定席の列車を利用する場合は、その無料特典を利用するか、別途特急券を購入しなければならない。しかし、仙台以北については、本記事と類似のルールが適用される。
2018年5月29日(火)に発売された「大人の休日倶楽部パス(東日本)」の「ご案内2」券片には、上記(1)(2)(4)に関連する記述が存在する。次のとおりである。
<ご案内2の主旨>
「盛岡~新青森」間の駅間および「盛岡~秋田」間の駅間においては、指定券無しで普通車の空席を利用可能である。また「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて」で、同区間を利用する場合も同様である。
【ご案内2】
(2018年6月29日乗車)
「大人の休日倶楽部」のホームページにおいて、「全車指定席」というキーワードで検索すると、次なるFAQ記事が表示される。
<主旨>
【Q】
「大人の休日倶楽部パス」で全車指定席の新幹線を利用する場合、指定席券がなくても乗車可能か。
【A】
東北・北海道新幹線の「盛岡~新函館北斗」間、秋田新幹線の「盛岡~秋田」間、山形新幹線の「福島~新庄」間の各駅相互発着の場合、指定席の利用回数に数えることなく、普通車の空席を利用可能である。また、「仙台~盛岡」間の途中駅に停車する「はやぶさ/はやて/こまち」で「仙台~盛岡」間を利用する場合(相互発着に限る)も同様である。
これは、まさに上記(1)~(5)に関連する記述である。
なお、この「Q」の文中に存在する「指定席券」という表記は不適切である。正しくは、「指定券」である(詳細はこちら)。もっとも、ここの場合は「A」ではなく「Q」のほうなので利用者目線の用語にしたということかもしれないが、あえて「指定席券」と記述する理由にはならないと感じられる。