ケーブルカーやロープウエーを調査していて、それらが一般向けか関係者専用かを区分する際に悩むことがある。
次の例は、一般向けかそれとも関係者専用か、悩ましい問題である。
① 駅構内の斜行エレベータについては、入場券か有効な乗車券を所持することが必要である。
② 日帰り温泉のケーブルカーについては、入場料を支払うことが必要である。
③ スキー場のロープウエーやリフトについては、利用料を支払うことが必要である。
④ 遊具起点アクセス用のリフトについては、遊具利用料を支払うことが必要である。
⑤ マンション内移動用斜行エレベータについては、居住者になりさえすれば誰でも利用可能である。
⑥ ダムの点検用インクラインについては、イベントで一般開放されることがある。
ウィキペディア「スロープカー」においても、その苦労がかいま見える。ウィキペディアにおいては、スロープカーの導入事例を一般向けと限定者向けに大別している。そのこと自体はよいのだが、その判定に疑問が感じられる。
<例1>
宿泊施設のスロープカーについては、宿泊料金を支払わない限り乗車することができない施設が存在するのだが、一般向けであるという考えである。しかし、ゴルフ場のスロープカーについては、施設利用料金を支払わない限り乗車することができないゴルフ場が存在するのだが、限定者向けという考えである。
どちらも、入場有料で運賃無料というタイプである。しかし、区分判定は異なるのである。
<例2>
寺院のスロープカーについては、現地の掲示物において「墓参者向け」と明記している場合がある。「墓参者向け」の意味は、「墓参目的の人は乗車してよいがそうでない人は乗車しないでほしい」という主旨であると推察される。しかし、そのスロープカーについて、ウィキペディアでは一般向けとして紹介している。