パソコンあるある!JR東日本のPDF不具合

2020年9月27日(日)


     JR東日本の旅客(りょかく)営業規則に何かネタが無いかと眺めてみたが、何も見つけることはできなかった。念のために、運送約款(やっかん)のひとつである旅客連絡運輸規則のほうを眺めてみたら、不具合を見つけた。パソコンあるあるである。
    これは、Word(ワード)というワープロソフトによってPDF形式で保存した際に生じた不具合であると推察され、本来はワープロソフトが解決すべき問題である。本質的な解決がなされるまでは、利用者はその不具合が存在することを容認するしかない。この不具合については、PDF形式で保存した後に、保存されたPDFファイルを開いて確認してみるという作業を怠ったものと推察される。

     JR東日本に修正を進言してみた。

<進言主旨>
    第77条が記載されているページのページ番号27の左隣に、右側の波括弧が存在する。この記号は、ページ番号28の上辺に存在すべきである。

【補足】
    図で説明すると、次のとおりである。この図はPDFのページ番号27と28の境界前後を表現した図である。

不具合状態

正常と推察される状態

     JR東日本から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

<結果>
     修正されていない(2020年12月7日現在)。

「無礼旅客」は大ウケ!東武鉄道の旅客営業規則

2020年9月26日(土)


     何かいいネタが無いかと、鉄道会社のホームページをざっと見渡してみた。しかし、いいネタが見つからない。したがって、旅客(りょかく)営業規則に手を伸ばしてみることにした。旅客営業規則は運送約款(やっかん)とも呼ばれるが、厳密に言えば、運送約款のうち旅客に関するものを旅客営業規則と言う。
    なお、一般に「旅客」と書いて「りょかく」と読む。「旅客機」を「りょかっき」と読むことと同じである。「りょきゃく」という読みも間違いないではないのだが、「りょかく」が本来の読みであり、鉄道業界では「りょかく」を使用している。

    手始めに東武鉄道の旅客営業規則を眺めてみた。出てくる、出てくる。拾い上げたら10件になった。特に「無礼旅客(ぶれいりょかく)」という文字を見たときは吹き出してしまった。
    これは「無札旅客(むさつりょかく)」の誤植であると推察される。「無札」とは鉄道の業界用語であり、切符を買わずに列車に乗車することを意味している。すなわち不正乗車の一種である。

     鉄道業界の専門家が文言(もんごん)入力すれば問題無いのだが、専門家でない人物が作業すると、目視認識の段階で見誤ることになる。
    文書の改版作業については、起案者が作業者に指示していると推察される。作業者は鉄道会社の従業員ではなく、鉄道とは無縁の別会社(印刷会社など)であるかもしれない。作業者は、「無札」という業界用語を知らなかったために、「無札」という単語を見ても「無札」という単語に結びつかず、次のいずれかの間違いを犯したものと推察される。
①  作業指示書にある「無札」を「無礼」という単語であると見誤った。
②  作業指示書にある「無札」を「無札」と認識したものの、「無礼」の誤植であろうと判断し、良かれと思って「無礼」としてしまった。

    ただ、起案者側は、当然のことながら成果物の確認作業を行ったと推察され、その段階で誤植を発見できなかったのは遺憾である。

    その他の誤植も含めて、東武鉄道に修正を進言してみた。

<進言主旨>

(1)  無礼
    第71条に誤植がある。
【誤】無礼旅客
【正】無札旅客

(2)  計算上のキロ程
    第68条に誤植がある。
【誤】料金計算上キロ程の
【正】料金計算上のキロ程の
【補足】
    これは、作業者が文字入力する際のキーボード誤操作であると推察される。パソコンあるあるである。

(3)  削除参照
    第73条第2項(5)に「第140条の2の規定により、」という文言があるが、第140条の2は削除された状態であり、存在しない。
【補足】
    これは、起案者が第140条の2を削除する際の確認不足であると感じられる。

(4)  前項
    第73条第3項にある「前項の規定」の「前項」というのは、文脈上、第1項を示している。しかし、第3項の条文において「前項」と記載すると、第1項ではなく第2項を示す。
【誤】前項
【正】第1項
【補足】
    これは、起案者側の推敲(すいこう)不足であると感じられる。

(5)  は数計算
    規則全体において、「は数計算」という用語の「は」という文字の上方に、留意のための
丸点を記載している。しかし、第94条の2の第2項にある「は数計算」の「は」の上には丸点が無い。

丸点

【補足】
    これは、作業者が文字入力する際のキーボード誤操作もしくは丸点追加の失念であると推察される。
    もし作業指示の段階で丸点が無かったとすれば、作業者は、起案者に確認してみるべきことである。

(6)  補足
    第184条に誤植がある。
【誤】捕足
【正】補足
【補足】
    「捕捉」という単語は存在するが、「捕足」という単語は存在しない。「ほそく」を仮名漢字変換すると、「補足」や「捕捉」は現れるが、「捕足」は現れない(IME2010)。どのようにして「捕足」に到達したのか不思議である。「ほそく」を仮名漢字変換したのではなく、「とらえる」と「あし」を仮名漢字変換したのであろうか。

(7)  とする。
    第213条に誤植がある。
【誤】次のとおりと
【正】次のとおりとする。
【補足】
    これは、文字入力時におけるキーボード誤操作であると推察される。パソコンあるあるである。

(8)  TJライナー
    第213条の(3)に「TJライナー」の記載が無い。
【補足】
     東武鉄道には、ふたつのライナー列車があって、それがTJライナーとTHライナーである。利用するには、乗車券の他に座席指定券が必要である。第213条の(3)は、その座席指定券の様式に関する条文であるが、2020年5月30日施行の旅客営業規則では「THライナー座席指定用」だけが記載されているのである。
    TJライナーの運行開始年は2008年であり、THライナーの運行開始年は2020年である。2020年5月22日付けで発表された改正要旨によると、THライナーの運行開始に合わせて「THライナー座席指定用」という1行を追加したということになっている。
    したがって、これも作業者の誤認である可能性が考えられる。起案者は「THライナー座席指定用」の追記を指示したつもりかもしれないが、作業者は「TJ」を「TH」に修正するという指示であると誤認したのである。
    修正案は、おそらく次のとおりである。両様式が同一か否かで異なるが、おそらく同一であると感じられるので①である可能性が高い。
①両様式が同一の場合
【誤】THライナー座席指定用
【正】TJライナーおよびTHライナー座席指定用
②両様式が異なる場合
【誤】THライナー座席指定用
【正】
    TJライナー座席指定用
    THライナー座席指定用


(9)  次行
    第225条の条文において、「次のとおりとする。」となっているが、次行が存在しない。
【補足】
    おそらく、印刷物をワープロ文書化する段階では次行が存在していたのであろうが、作業者がその次行の文言をワープロ文書化する際に、目線が先へ進んでしまったものと推察される。

(10)  とし
    第278条第4項に誤植がある。
【誤】預けるものし、
【正】預けるものとし、
【補足】
    これは、文字入力時におけるキーボード誤操作であると推察される。パソコンあるあるである。

    東武鉄道から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

<結果>
    修正されていない(2020年12月7日現在)。旅客営業規則は鉄道会社と利用者との間で交わされる運送契約の根幹をなす
重要文書である。その重要文書における誤植の指摘を受けても放置されたままというのは言語(ごんご)道断である。

チコちゃんは叱られろ!電車じゃなくて汽車だろうが

2020年9月11日(金)


    本日のNHK「チコちゃんに叱られる!」で山手(やまのて)線の話題が出た。森田美由紀アナウンサーによるナレーションでは、いつものように上から目線で、鉄道敷設(ふせつ)初期の歴史が説明されたのだが、その際に電車という表現が使用された。当時、電車は存在しない。汽車(または列車)でなければならない。森田美由紀アナウンサーはNHKのエグゼクティブアナウンサーであり、NHK日本語センターに勤務している。台本ミスを指摘してほしかった。残念なことである。きっと炎上するに違いない。番組スタッフに言いたい。ボーッと生きてんじゃねーよ。



乗り鉄の悩み!盲腸線の行き止まり駅

2020年9月8日(火)


    鉄道の乗りつぶしを始めると、盲腸線が気になってくる。盲腸線とは、行き止まりとなる路線のことである。往復すると効率が悪いし、後回しにするといつか再訪しなければならない。乗り鉄の世界では、これを落穂拾い(おちぼひろい)と称している。
    そこで、行き止まりの駅からバスを利用できないかと考えることになる。このように、盲腸線の行き止まり駅から他の路線の駅にバスで移動することを、乗り鉄の世界では「ワープする」と称している。特に、盲腸線の行き止まり駅同士をワープすればふたつの盲腸線を続けて完乗することができる。
    ワープ路線における交通手段は、バスだけとは限らず、徒歩もありえる。2020年5月7日に廃止された新十津川(しんとつかわ)駅は札沼(さっしょう)線の行き止まり駅であった。新十津川(しんとつかわ)駅で下車したのちに、バスで函館本線の滝川(たきかわ)駅に行くことができた。私は、1997年頃に、その区間を歩いてワープしたことがある。所要時間は約1時間であった。Google Map(グーグルマップ)アプリなど無かった時代である。滝川(たきかわ)で乗車する予定の列車に間に合うかどうか心配であったが、問題無く到着した。

    単に鉄道の駅と駅を接続する路線はあちこちに存在する。しかし、少なくとも一方の駅が盲腸線の行き止まり駅である場合となると、かなりしぼられる。特に、盲腸線の行き止まり駅同士を接続する場合となると更に限られる。
    かつて、国鉄時代には多くの盲腸線が存在したので、盲腸線の行き止まり駅同士を接続する路線バスも多く存在した。盲腸線が次々と廃止された今は、どのような状況であろうか。

    次なる条件に該当するワープ路線を探してみた。
①路線バスで
行き止まり駅同士を結ぶ
行き止まり駅の同一構内に他の鉄道路線が存在しない
③バスを2台以上乗り継がない
④所要時間が鉄道経由よりも短い
⑤路線バスの途中に他の鉄道路線の最寄りバス停が存在しない
行き止まり駅同士が至近距離でない(徒歩15分以上)
⑦高速バスとBRT(Bus Rapid Transit、バス高速輸送システム)を含めない
⑧ケーブルカーやロープウエー、リフトの駅を
行き止まり駅には含めない

    この条件に合致する
路線バスを探したところ、次なる6路線を見つけた。

(1)  間藤(まとう)駅前~東武日光駅

間藤(まとう)駅前~東武日光駅

    間藤(まとう)駅は「わたらせ渓谷鐵道(けいこくてつどう)」の行き止まり駅であり、
東武日光駅は東武鉄道日光線の行き止まり駅である。
    「わたらせ渓谷鐵道(けいこくてつどう)」は、桐生(きりゅう)駅から間藤(まとう)駅までの路線であり、国鉄時代は足尾(あしお)線と呼ばれていた。この「わたらせ渓谷鐵道(けいこくてつどう)」の間藤(まとう)駅は、紀行作家である宮脇俊三(しゅんぞう)が、国鉄全線完乗を成し遂げた駅である。彼は、その全行程を紀行文として、「時刻表2万キロ」(1978年)を著した。これが彼の作家としてのデビュー作である。「時刻表2万キロ」は「乗り鉄のバイブル」と言われている。そうすると、間藤(まとう)駅は「乗り鉄の聖地」であろうか。
    なお、「わたらせけいこくてつどうの正式表記は、次の通りである。
【正】わたらせ渓谷鐵道
【誤】わたらせ渓谷鐡道
【誤】わたらせ渓谷鉄道
    また、「JR日光駅~東武日光駅」間も盲腸線の行き止まり駅同士を結ぶ路線バスであるが、徒歩4分という至近距離であり、この記事で定めた条件⑥を満たしていない。

(2)  「金沢駅~野町(のまち)」と「金沢駅西口~野町(のまち)駅」

金沢駅~野町(のまち)」と
「金沢駅西口~野町(のまち)駅」

    北鉄金沢駅は、金沢駅の至近距離にあるのだが「同一の駅である」とは言いがたく、北陸鉄道浅野川線の行き止まり駅である。また、野町(のまち)駅は北陸鉄道石川線の行き止まり駅である。そうすると、北鉄金沢駅と野町(のまち)駅の間は行き止まり駅同士ということになる。
    金沢駅の東口に「金沢駅」というバス停がある。また、金沢駅の西口に「金沢駅西口」というバス停があり、北鉄金沢駅から徒歩5分である。
    野町(のまち)駅の駅前に、「野町(のまち)駅」というバス停がある。野町(のまち)駅から徒歩3分の場所に「野町(のまち)」というバス停がある。
    「金沢駅」だけでなく「金沢駅西口」も北鉄金沢駅の最寄りバス停であると考えると、「金沢駅西口~野町(のまち)駅」間もワープ路線である。
    「野町(のまち)駅」だけでなく「野町(のまち)」も野町(のまち)駅の最寄りバス停であると考えると、「金沢駅~野町(のまち)」間はワープ路線であるということになる。

(3)  「千里(せんり)中央~阪急北千里(きたせんり)駅」と「千里(せんり)中央~阪急箕面(みのお)駅」

「千里(せんり)中央~
阪急北千里(きたせんり)駅」と
「千里(せんり)中央~
阪急箕面(みのお)駅」

    北大阪急行の千里(せんり)中央駅は、大阪モノレールの千里(せんり)中央駅の至近距離にあるのだが「同一の駅である」とは言いがたく、北大阪急行の行き止まり駅である。また、阪急箕面(みのお)線の箕面(みのお)駅と阪急千里(せんり)線の北千里(きたせんり)駅はいずれも行き止まり駅である。そうすると、北大阪急行の千里(せんり)中央駅と阪急箕面(みのお)線の箕面(みのお)駅の間、および北大阪急行の千里(せんり)中央駅と阪急千里(せんり)線の北千里(きたせんり)駅の間は行き止まり駅同士ということになる。
    「千里(せんり)中央~阪急北千里(きたせんり)駅」間の所要時間については、鉄道経由の場合よりも短い経路とそうでない経路がある。「千里(せんり)中央~阪急箕面(みのお)駅」間の所要時間については、鉄道経由よりも短い。

(4)  河和(かわわ)駅~内海(うつみ)駅

河和(かわわ)駅~内海(うつみ)駅

    名鉄の河和(かわわ)駅は河和(かわわ)線の行き止まり駅であり、同じく内海(うつみ)駅は知多(ちた)新線の行き止まり駅である。

(5)  清輝橋(せいきばし)~宇野(うの)駅

清輝橋(せいきばし)
宇野(うの)駅

    清輝橋(せいきばし)は岡山電気軌道の行き止まり駅であり、宇野(うの)駅は宇野(うの)線の行き止まり駅である。

(6)  宿毛(すくも)駅~宇和島(うわじま)駅前

宿毛(すくも)駅~
宇和島(うわじま)駅前

    宿毛(すくも)駅は土佐くろしお鉄道の行き止まり駅であり、宇和島(うわじま)駅は予讃(よさん)線の行き止まり駅である。
    土佐くろしお鉄道の「若井~荷稲(かいな)」間は、ループ線があることで有名である。

<追記>
    この記事を閲覧したテツ人から、JRバス関東の「芝山千代田(しばやまちよだ)駅~成田空港第1旅客(りょかく)ターミナル」間の存在が提案された。確かに、そのバス路線は存在するのだが、残念ながら、双方のバス停に停車する便(びん)が存在しない。したがって、この記事で定めた条件④を満たしていない。

<補足>
    「京王八王子駅~武蔵五日市(むさしいつかいち)駅」間の路線バスは、盲腸線の行き止まり駅同士であるのだが、途中に、八王子駅の最寄りバス停である「八王子駅北口」が存在するので、この記事で定めた条件⑤を満たしていない。
    「上北台(かみきただい)駅~西武球場前駅」間の路線バスは、西武球場前駅が西武狭山線と西武山口線の接続駅なの西武球場前駅が行き止まり駅ではなくこの記事で定めた条件①を満たしていない。
    「浦賀(うらが)駅~JR久里浜(くりはま)駅」間の路線バスは、盲腸線の行き止まり駅同士を結んでいるのだが、途中に「京急久里浜(くりはま)駅」というバス停があるので、この記事で定めた条件⑤を満たしていない。しかし、ワープ路線として有益であるように感じられる。
    「三崎口~逗子・葉山駅(南口)」間の路線バスは、盲腸線の行き止まり駅同士を結んでいるのだが、途中に長井(ながい)というバス停があって、そこで乗り継がなければならないので、この記事で定めた条件③を満たしていない。また、所要時間が鉄道経由よりも長いので、この記事で定めた条件④も満たしていない。
    「片瀬江ノ島(かたせえのしま)駅~湘南江ノ島(しょうなんえのしま)駅」間の路線バスは、盲腸線の行き止まり駅同士であるのだが、途中に、江ノ島(えのしま)電鉄江ノ島(えのしま)駅の最寄りバス停である「江ノ島(えのしま)駅」が存在するので、この記事で定めた条件⑤を満たしていない。しかし、ワープ路線として有益であるように感じられる。


チェック不足!某鉄道会社の「お得な切符」検索機能

2020年9月7日(月)


    某鉄道会社のホームページに、「乗り放題」という特徴を付記した「お得な切符」が8件紹介されている。
    しかし、そのホームページにある検索機能において、「乗り放題」というキーワードによってヒットした件数はそのうちの4件であった。

検索結果

    その鉄道会社に質問してみた。

<質問主旨>
    「乗り放題」という特徴を付記した切符が8件紹介されている。しかし、ホームページにある検索機能において、キーワードとして「乗り放題」を指定すると、4件しかヒットしない。この検索結果は正常か。

    その鉄道会社から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

<結果>
    修正された。

不正乗車厳禁!「フルムーン夫婦グリーンパス」の指定券

2020年9月6日(日)


    一般に、例えば特急列車のグリーン車の場合、自席の乗車券・特急券・グリーン券の他に隣席の乗車券・特急券・グリーン券も購入することは不正行為である。このことは旅客(りょかく)営業規則に明記されている。
    そのような行為を行っても、車掌は誰も着席していない席を空席扱いすることができるので、当日、空席を探す乗客がいれば、車掌はその乗客にその席を案内することになる。その席の乗車券・特急券・グリーン券を車掌に示して権利主張しても無駄となるだけでなく、キツいおとがめを受けることになる。

    さて、本題に移りたい。JRの「フルムーン夫婦グリーンパス」は、グリーン車指定席を何回でも利用することができるので、類似の問題が想定される。
    隣席の指定券も確保しておくと、隣席が空席のままとなるのである。しかし、これは不正行為である。
     JR側はそのような事態をどのようにして防いでいるのか興味が湧く。ネット記事も調べてみたが、本件に言及している記事を見つけることができなかった。

     JR東海にその旨を質問してみた。

<質問主旨>
    「フルムーン夫婦グリーンパス」を利用する際に、自席以外の席の指定券も入手することができる。そのような不正行為を防ぐようになっているか。

     JR東海から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

    「フルムーン夫婦グリーンパス」は、ふたりの年齢が合わせて88歳以上の男女であれば購入可能であり、JR全線の乗車券として利用可能で、グリーン車(「のぞみ」と「みずほ」を除く)と普通車指定席を何度でも利用可能というものである。


    「フルムーン夫婦グリーンパス」は、1981年(国鉄時代)に発売開始された、非常に息の長い切符である。機会を見つけて利用してみたいと考えているが、未だに利用したことがない。その理由は次のとおりである。
①根っからの貧乏性なので、普通車で充分であると考えている。
②他に適切な「お得な切符」があり、ジパング倶楽部(クラブ)割引(以下「ジ3割」)もある。
③内猫をペットホテルに預けるのがしのびなく、採算がとれる行程の旅行を予定していない。

    「フルムーン夫婦グリーンパス」の値段は5日間用で84,330円であり、その採算ラインはどのあたりであろうか。ジ3割を利用すれば、その採算ラインはかなり遠くなり、価格比較は次のとおりである。

(1)  一般
【区間】東京⇔岡山
【列車】ひかり
【割引】往復

【往復運賃】19,200円
【特急料金】5,930円×往復=11,860円
【グリーン料金】6,600円×往復=13,200円
【ひとり計】44,260
【ふたり計】88,520円

(2)  ジ3割
【区間】東京⇔新鳥栖(しんとす)
【列車】ひかり&さくら
【割引】往復&ジ3割

【往復運賃】18,220円
【特急料金】6,580円×往復=13,160円
【グリーン料金】6,280円×往復=12,560円
【ひとり計】43,940円
【ふたり計】87,880円

    実際問題としてはどうであろうか。グリーン車にこだわれば、「フルムーン夫婦グリーンパス」は確実にお得な切符である。しかし、グリーン車にこだわらないのであれば、関東在住者にとっては、「お先にトクだ値
(ね)」や「大人の休日倶楽部パス(東日本)」(以下「大休(おときゅう)パス」)というものもあり、更にシニアにとっては「大人の休日倶楽部」ジパング会員割引やジ3割という選択肢もある。
    特に、大休パスの場合は、ふたりで「東京~新青森」間をグリーン車で往復するくらいであれば、そのグリーン特急料金を追加負担しても、「フルムーン夫婦グリーンパス」より割安なのである。

<大休パス案>
【パス値段】15,270円
【グリーン特急料金】
12,040×往復=24,080
【ひとり計】39,350
【ふたり計】78,700
【日数】4日間

    なお、「フルムーン夫婦グリーンパス」に類似の切符として、JR四国に四国グリーン紀行という切符がある。


自然との戦い!外猫ブチの餌入れ置き場

2020年9月5日(土)


    これは、我が家の玄関前に住み着いた外猫ブチの餌(えさ)入れの置き場に関する、自然との壮大な戦いの物語である。

<第1弾>


    最初はこれで良かった。ブチが残らずたいらげたからである。しかし、ブチに好き嫌いが出始めると、次第に残すようになった。その結果、残り物にアリが集まるようになった。

<第2弾>


    皿を地面から離せば良いだろうと考えた。しかし、これでもアリは這い上がってきた。

<第3弾>


    スタンドの脚を水に浸けた。これでアリが集まることはなくなった。

食事中

小屋の上でくつろぐブチ

    その他にも、次なる処置を施してある。
①発泡スチロール製の小屋の屋根はブチの体重を支えきれず、みごとに壊れたことがある。現状は、屋根の上に更に発泡スチロール製の板を載せて、粘着テープで固定している。
②発泡スチロール製の小屋をじか置きすると、小屋の底面の下に溜まる雨水の乾きが遅い。現在は小屋を少し浮かせている。
③発泡スチロール製の小屋は、台風に飛ばされたことがあった。現在はガーデニング用のレンガ(手前にあるえんじ色の筒)で押さえている。

    その他の我が家の猫情報はこちら


最早経路が現れへんがな!「Y!乗換案内」の致命的欠陥

 2020年9月4日(金)


    上越(じょうえつ)線の土合(どあい)駅は下りホームが駅舎から離れたトンネル内にある駅として有名な駅である。Y!乗換案内を使って、大宮発10時0分という条件で土合(どあい)駅に行く経路を調べていて、致命的欠陥に遭遇した。

【A案】経由無指定
  【最早到着時刻】12時39分
  【費用】6,380円
  【経路】大宮⇒(新幹線)⇒越後湯沢(えちごゆざわ)⇒(在来線)⇒土合
【B案】経由指定
    【経由:上毛(じょうもう)高原駅バス停(関越(かんえつ)交通)】
  【最早到着時刻12時14分
  【費用】6,480円
  【経路】大宮⇒(新幹線)⇒上毛高原⇒(バス)⇒土合

経路略図

    B案の経路は、経由無指定でも検索結果に現れるべきであるが、経由無指定では検索結果に現れなかった。

    Yahoo乗換案内に改良を進言してみた。

<進言主旨>
    「大宮⇒土合」の検索結果に、「上毛高原駅⇒土合駅前」の路線バス経由の経路が現れない。

    Yahoo乗換案内は、問い合わせを受けても回答しない方針になっている。

<結果>
    解決した(2021年11月3日現在)。

    なお、NAVITIME(ナビタイム)と
「駅すぱあと for web」では、経由無指定でも、路線バス経由の経路が現れた。

驚きの「変更」回数無制限!大休パスの指定券

2020年9月3日(木)


    JRの指定席は、出発前であれば、1回限り手数料なしで「変更」することができる。一度「変更」すると、再度の「変更」を防ぐために、「変更」後の切符に「乗変」の文字が印字もしくは捺印される。「乗変」とは「乗車券類変更」の略である。

「変更」後のB自由席特急券
「乗変」の印字付き

「変更」後のB特急券
「乗変」の捺印付き

    さて、本題に移りたい。JR東日本とJR北海道は、「大人の休日倶楽部(クラブ)パス」(以下「大休(おときゅう)パス」)という切符を発売している。その切符では、あらかじめ座席の指定を受けることによって普通車指定席を6回まで利用することができる。私は、2018年6月にその切符の東日本版を利用したことがある(詳細はこちら)。その際に、新幹線などの普通車指定席も確保した。その新幹線指定券を「変更」した際に、受け取った「変更」後の新幹線指定券に「乗変」の文字が無かった。

「変更」後の新幹線指定券
(とき456号をとき454号に変更)
「乗変」の文字が無い

    これでは再度「変更」することができてしまう。当時、私は、窓口担当者が「変更」として発券せずに誤って新規発券したのであろうと考えた。
    しかし、今思い返してみると、大休パスの場合は特例があって、窓口担当者の処理は正しかったという可能性も否定できないと考えた。大休パスに関するホームページを見たが、変更回数に言及した記述を見つけることができない。

     JR東日本とJR北海道に質問してみた。

<質問主旨>
     大休パスの指定券の変更回数は、無制限か、それとも(原則どおり)1回限りか。

    両社から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

     JR以外のネット記事も探してみたが、本件に言及している記事を見つけることができなかった。利用者は誰も知らないという可能性が強い。
    変更回数無制限というのは利用者にとって重要な情報であり、ホームページに記載されるべき事項であると感じられる。

    なお、心配なこともある。悪意のある利用者が何度も変更手続きしたら駅の「みどりの窓口」が業務に支障をきたすことになる。威力業務妨害罪となるかもしれない。このような事情もあって、変更回数無制限であることをホームページに記載していないのかもしれない。
    変更回数無制限というルールをホームページに記載しないのであれば、JR東日本とJR北海道にとって、これは全くメリットの無いルールである。いっそのこと原則どおり1回限りにしたほうが良いように感じられる。

    JR九州とJR西日本については、次なる切符が指定券「変更」回数無制限である。

<JR九州/JR西日本>
    みんなの九州きっぷ

<JR九州>
①みんなの九州きっぷ(ハロー!自由時間クラブ会員限定)
②ハロー!自由時間パス
③ハロー!自由時間ネットパス

     なお、JR九州のホームページでは、②③の指定券「変更」回数に関する記載を見つけることができない。

     JR九州に質問してみた。

<質問主旨>
    次なる切符の指定券の変更回数は、無制限か、それとも(原則どおり)1回限りか。
①ハロー!自由時間パス
②ハロー!自由時間ネットパス

     JR九州から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

    JR東海、JR四国、私鉄の各社のホームページでは、指定券の「変更」回数について、無制限である切符も一切言及していない切符も見つけることはできなかった。


<関連記事>
    ややこしい!鉄道の運送約款



不正乗車厳禁!JR各社の指定席複数回切符の指定券

2020年9月2日(火)


    一般に、例えば特急列車の普通車指定席の場合、自席の乗車券・特急券の他に隣席の乗車券・特急券も購入することは不正行為である。このことは旅客(りょかく)営業規則に明記されている。
    そのような行為を行っても、車掌は誰も着席していない席を空席扱いとすることができるので、当日、空席を探す乗客がいれば、車掌はその乗客にその席を案内することになる。その席の乗車券・特急券を車掌に示して権利主張しても無駄となるだけでなく、キツいおとがめを受けることになる。

    さて、本題に移りたい。JR各社の「お得な切符」の中には、普通車指定席を複数回(例えば6回)利用できるものがあり、類似の問題が想定される。
    もし指定券発券回数に余りがある場合、隣席の指定券も確保しておくと、隣席が空席のままとなるのである。しかし、これは不正行為である。

     JR各社の指定席複数回切符は次のとおりである。私鉄では該当する切符を見つけることができない。

<JR東日本/JR北海道>
①大人の休日倶楽部(クラブ)パス

大人の休日倶楽部パス(東日本)

    券面に、6個の赤星印が印字されている。これは、指定券6回発行済みであることを示している。

②北海道フリーパス
③大人の休日パス 東日本・北海道スペシャル

<JR北海道>
    HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス

<JR東海>
    北海道フリーパス

<JR九州>
①みんなの九州きっぷ
②みんなの九州きっぷ(ハロー!自由時間クラブ会員限定)
③ハロー!自由時間パス
④ハロー!自由時間ネットパス


文字化けしてまうがな!JR九州の問い合わせ受付完了メール

2020年9月1日(火)


    JR九州のホームページにおいて、不具合に遭遇した。

     JR九州では、「お問い合わせ」フォームを利用して問い合わせを入力すると、確認画面が表示され、それを送信操作すると、送信者に受付完了メールが届くという仕組みになっている。
    その「お問い合わせ」フォームにおいて丸数字(①②③・・・)を使用すると、確認画面では正常であるが、受付完了メールでは文字化けしているのである。これはプログラミングの都合によるものと推察される。

文字化け例

    JR九州に改良を進言してみた。

<進言主旨>
     「お問い合わせ」フォームにおいて丸数字(①②③・・・)を使用すると、確認画面では正常であるが、受付完了メールでは文字化けしている。

     JR九州から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

<結果>
    改良されていない。注意喚起文言を見つけることもできない(2020年12月23日現在)。

    なお、JR九州では「お問い合わせ」フォームの他に「ご意見・ご要望」フォームというのもあるが、「ご意見・ご要望」フォームにおいても同じ不具合が発生する。