鉄道における国内最長隣接駅は、次のとおりである。
【新幹線含む】奥津軽(おくつがる)いまべつ~木古内(きこない)
【路線】北海道新幹線
【営業キロ】74.8km
【所要時間】33分
【新幹線以外】上川(かみかわ)~白滝(しらたき)
【路線】石北(せきほく)本線
【営業キロ】37.3km
【所要時間】最短37分
「大白川(おおしらかわ)~只見(ただみ)」間は、かつて新幹線以外という範疇(はんちゅう)における第1位であった。しかし、その他の区間における途中駅の廃止が進んで新たに第1位と第2位が出現し、「大白川~只見」間は現在第3位に後退した。
【路線】只見線
【営業キロ】20.8km
【所要時間】28分
普通列車で28分間無停車というのは、めったに遭遇することではない。第3位といえどもかなりの存在感である。某国会議員のフレーズに沿えば、「3位じゃダメなんですか」。
ちなみに、近いほうでは、次のとおりである。
【路面電車を含む】「一条橋(いちじょうばし)~清和(せいわ)学園前
【所在地】高知県高知市
【所属】とさでん交通
【距離】84m
【所要時間】最長1分
【路面電車以外】中佐世保(なかさせぼ)~佐世保(させぼ)中央
【所在地】長崎県佐世保市(させぼし)
【所属】松浦(まつうら)鉄道
【距離】200m
【所要時間】1分
【JR限定】博労町(ばくろうまち)~富士見町(ふじみちょう)
【所在地】鳥取県米子市(よなごし)
【所属】JR西日本
【距離】420m
【所要時間】最長1分
【新幹線限定】東京~上野
【所在地】東京都千代田区(ちよだく)
【所属】JR東日本
【距離】3.6km
【所要時間】6分
【補足】
「越後湯沢(えちごゆざわ)~ガーラ湯沢(ゆざわ)」間は、距離2.1kmであるが、法的には在来線である。
私がかつて只見(ただみ)線を利用したのは、1987年11月29日(日)のことである。1泊2日の社員旅行の2日目の朝、会津若松(あいづわかまつ)駅で解散となった。多くの同行者は会津若松市内を観光してから郡山(こおりやま)経由で帰宅したようだが、私は、ひとりで只見線経由で帰路についた。西村京太郎の「急行奥只見殺人事件」を読んだあとのことだった。当時は乗りつぶすことだけに興味があって、隣接駅間距離ということに関心が無かった。本日は、再度「大白川~只見」間を体験してみたい。
また、国営越後丘陵(えちごきゅうりょう)公園に斜行エレベータがあるので、併せて体験したい。
春日部(かすかべ)から只見に行く経路は、小出(こいで)経由、会津田島(あいづたじま)経由、および会津若松経由の3通り存在する。その中で、会津若松経由はかなりの遠回りなので日帰りは困難であり、除外せざるをえない。したがって、小出経由と会津田島経由について検討した。
その交通機関の時刻表は、次のとおりである。
「小出~只見」間は、1日の列車本数が3往復だけという超秘境路線である。只見線は、明後日10月1日(土)に時刻改定されるが、「小出~只見」間のダイヤについては改定後も概ね変わらない。
①の列車に乗車するには早起きしても間に合わない。③の列車では暗くてよく見えない。また、「大白川~只見」間の列車に乗車することが目的なので、バスは片道利用に限られる。したがって、次なる理由により④または⑤を採用することは困難である。
(a) 往路におけるバス利用
④の会津田島駅発11時05分のバスは只見駅着が12時24分なので、復路で②の只見発16時31分の列車に乗車することは可能であるが、滞在時間が4時間7分でありあまりにも長い。
⑤の会津田島駅発15時25分のバスは只見駅着が16時44分なので、復路は③の只見発20時02分の列車しかなく、暗くてよく見えない。
(b) 復路におけるバス利用
小出発13時12分の列車は只見(着が14時25分なので、復路で⑤の只見駅発13時10分のバスに乗車することは不可能である。
結局、②を選択するしかない。
「えきねっと」では、JRE POINT特典チケット(以下「特チ」)というサービスがあってJREポイントでも特定の「きっぷ」を購入することができる(詳細はこちら)。その特チが、期間限定で半額未満になっている。今回はそのキャンペーンを利用したい。片道の「運賃&普通車指定席特急料金」は、次のとおりである。
【大宮⇒長岡(ながおか)】
【限定】3,900P
【通常】7,940P
【一般】8,370円
【浦佐(うらさ)⇒大宮】
【限定】2,300P
【通常】4,620P
【一般】6,380円
したがって、「長岡(ながおか)⇒只見」間と「只見⇒浦佐」間については、一般運賃で片道乗車券を購入することとする。
(2) 新幹線とき
いつもどおり8号車を利用した。8号車は新幹線オフィス車両である。私は、B席に座り、両脇の肘(ひじ)掛けをはねあげた。A席やC席に座ろうとする乗客は来なかった。
(3) 国営越後丘陵(えちごきゅうりょう)公園 シニア割
斜行エレベータは、ビルの垂直エレベータと同じで、心折れる場合が多い。ここの斜行エレベータも、心折れるタイプである。
一応、窓があって、走行中に移動空間の下方を眺めることはできるのだが、感激する車窓とは言いがたい。
(4) かつての国内最長隣接駅「大白川(おおしらかわ)~只見(ただみ)」
小出から乗り込んだ撮影隊が車窓を撮影している。腕にはNHKの腕章がある。
10月1日(土)に只見線が再開されるので、その関連と推察されるが、本日の車窓を10月1日(土)の車窓として放送するのだろうかと余計な心配をしてしまう。
彼らは入広瀬(いりひろせ)で下車した。
「大白川~只見」間を観察する同好の士がふたりいた。そのうちのひとりは、代行バスを体験するために「会津若松~小出」間を往復中であるとのことであった。
彼らふたりと私は、28分間の前方展望を堪能(たんのう)した。立ち見席である(動画はこちら)。
只見線は、「只見~会津川口(あいづかわぐち)」間が長きに亘って不通であったが、明後日10月1日(土)に全線再開する予定である。現在は、代行バスが運行されている。
すなわち、かつての国内最長隣接駅間区間の先は、代行バスになっているのである。
「県境の長い区間を抜けると、代行バスであった。」
(5) 只見駅
特チは電子きっぷであり、旅情に欠けるのが残念である。
いつもどおり8号車を利用した。8号車は新幹線オフィス車両である。私は、B席に座り、両脇の肘(ひじ)掛けをはねあげた。A席やC席に座ろうとする乗客は来なかった。