大月(おおつき)駅には、JR東日本と富士山麓電気鉄道の両線路を繋ぐ渡り線が存在する。本日は、その渡り線を通過する特急列車に乗車して西湖(さいこ)まで脚を伸ばしてみたい。西湖には、いくつかの洞窟がある。
富岳風穴(ふがくふうけつ)、鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)、および西湖コウモリ穴(あな)は、河口湖(かわぐちこ)駅から河口湖畔(かわぐちこはん)を通り抜けた先の西湖の湖畔に存在する。河口湖は有名観光地であり、その湖畔には多くの観光施設が並んでいる。それにもかかわらず、路線バスは衰退している。本日の訪問先である洞窟に行くための路線バスの時刻表は、次のとおりである。
一見(いっけん)充実しているように見受けられるが、それは富岳風穴と西湖コウモリ穴だけであって、鳴沢氷穴については、1日に6往復しか存在しないのである。
①、②、および⑰については、日帰り利用は不可である。③~⑥の河口湖駅発を利用する案については、早起きしなければならない。⑯の河口湖駅着を利用する案については、就寝が遅くなる。すなわち、利用可能なバスは⑦~⑮に限られる。すなわち、結局、次なる3案のうちのいずれかを選択しなければならない。
【A案】黄色
【B案】河口湖駅を12時10分(⑨)に出発し、河口湖駅に16時12分(⑭)に帰着する。
【C案】水色
なお、「富岳風穴~鳴沢氷穴」間の洞窟同士は徒歩15分の距離なので、実際には徒歩で行くことも可能である。乗り鉄の世界では、このように短絡することを「ワープする」と称している。
「大宮~大月」間の片道乗車券の営業キロは100km以下なので、往復乗車券にしても合計の営業キロが200km以下であり、「大人の休日倶楽部(クラブ)」ジパング会員割引(以下「大休(おときゅう)30割」)を適用することはできない。しかし、「大宮~塩山(えんざん)」間の往復乗車券にすることによって、合計営業キロが200km超となって大休30割を適用することができる。
一般に、片道乗車券の営業キロが100km以下のJR東日本およびJR北海道の路線を往復する場合、乗車券の出発地か目的地、あるいはその両方を変更して「100km超120km以下」の区間の往復乗車券にすることによって、大休30割を適用することができる。その結果、運賃と料金の合計額が一般価格よりも安くなる(関連記事はこちら)。
立川(たちかわ)から河口湖へ行くための代表的な特急列車は、富士回遊(ふじかいゆう)である。「えきねっと」でも「立川⇒河口湖」間の富士回遊の乗車券と特急券を申し込むことができる。しかし、乗車券が「大宮~塩山」間なので「立川⇒河口湖」間の富士回遊の特急券を申し込むことはできない。したがって、「大月⇒河口湖」間の乗車券と特急券については、別途調達しなければならない。乗車券については、富士山・富士五湖パスポート(富士急電車セット)(以下「パスポート」)を利用したい。そのためには、往路の大月で下車して富士山麓電気鉄道の窓口へ行かなければならない。特急券については、座席未指定特急券に限られる。これは、事前購入でも車内購入でも料金は同一である。したがって、乗車後に車内で購入してもよいのだが、クレジットカードで決済したいので、併せて窓口で購入する。
富士回遊は、「かいじ」に併結されて運転される。「かいじ7号」が前寄りの12~4号車であり、富士回遊7号は後ろ寄りの3~1号車である。両列車は大月で解結され、「かいじ7号」が先に発車し、そののちに富士回遊7号が発車する。「かいじ7号&富士回遊7号」が到着してから富士回遊7号が発車するまでの停車時間は、わずか7分である。その間に、パスポートを購入しなければならない。そのためには、誰よりも早く富士山麓電気鉄道の窓口へ行かなければならない。
富士山麓電気鉄道の窓口は、JR改札口の西隣りに存在する。「かいじ7号&富士回遊7号」は、3番線に停車するのだが、ネット情報によると10号車が富士山麓電気鉄道の窓口に最も近いようである。7分間における手順は、次のとおりである。
① 10号車から3番線におりる
② 富士山麓電気鉄道の窓口に行く
③ パスポートと特急券を購入する
④ 再び3番線に戻る
⑤ 富士回遊に乗車する
構内図
富士回遊に乗車していて「かいじ」に通り抜けることが可能か否か不明である。したがって、往路は富士回遊ではなく「かいじ」に乗車することとする。
<往路>
「えきねっと」では、「かいじ7号」については塩山下車の案しか表示されず、塩山下車を大月下車に変更する手段を見つけることもできない。事前に窓口で変更手続きしてもよいのだが、同じ座席を確保するという保証がなく、かつ塩山下車でも大月下車でも特急料金は同額なので、そのままにした。
<復路>
「えきねっと」では、復路については塩山乗車の「あずさ44号」しか表示されない。「あずさ44号」に乗車してもよいのだが、大月における連結風景を撮影したいので、その現場になるべく近い車両である富士回遊44号の3号車に乗車したい。したがって、とりあえず「あずさ44号」を申し込んだのちに、窓口において「あずさ44号」を富士回遊44号に変更することとする。
なお、大月乗車後の富士回遊44号の利用区間は、「塩山⇒立川」間ではなく「大月(おおつき)~⇒八王子」間なのだが、「えきねっと」では「塩山⇒立川」間の特急券しか申し込むことができない。したがって、列車の変更に併せて、乗車区間「塩山⇒立川」間も「大月⇒八王子」間に変更する。
(1) 大宮駅
久しぶりに、大宮から都心方面への列車に乗車する。大宮から西国分寺(にしこくぶんじ)に行くには、京浜(けいひん)東北線経由案と埼京(さいきょう)線経由案の2通りが存在する。東武からJRに乗り換える場合、埼京線ホームよりも京浜東北線ホームのほうがかなり近い。したがって、京浜東北線を利用して南浦和(みなみうらわ)で乗り換えることとする。
(4) 富士山・富士五湖パスポート(富士急電車セット)
この「きっぷ」を拡大すると、次のとおりである。
<パスポート特典施設一覧>
富士回遊7号
富士山麓電気鉄道線内だけを利用する場合、指定席特急券は発売されず座席未指定券のみである。
本日、テレビ朝日「鉄道捜査官」(主演:沢口靖子)の第16話が再放送されるらしい。第16話は、奇(く)しくも富士山麓電気鉄道(当時は富士急行)が舞台である。
富士回遊は、JR中央本線下り線から富士山麓電気鉄道との渡り線に進入し、富士山麓電気鉄道の線路に進入した。
この渡り線に、数メートル程度の死電(しでん)区間すなわちデッドセクションが存在する。両者は直流同士かつ同電圧同士かつ同周波数同士なので、単に電力分離が目的であると推察される。
なお、車内照明は消灯しなかった。
大月駅構内配線図
大月から河口湖まで、ほぼ全線に亘(わた)って上り勾配であり、最急勾配は40パーミルである。また、半径200mの急カーブも連続する。列車は、特急列車とは思えぬほどの低速走行である。車輪がキーキーと悲鳴をあげる。
「三つ峠(みつとうげ)⇒寿(ことぶき)」間において、列車が大きく右カーブする。それにより、富士山(ふじさん)が、左側真横に位置する。車内放送で、ビュースポットであることが案内され、列車は徐行する。乗客が一斉にスマホを構える。
ビュースポット
(6) 河口湖駅
<関東の駅百選>(一般的には山梨県は関東地方ではなく中部地方である)
(7) 駅の足湯 無料
<富士河口湖温泉郷>
全景
体験
(8) モ1形電車
(10) 西湖コウモリ穴 パスポート割
ここでは、入場時にヘルメットを渡される。「おおげさな」と思いきや、入洞してみて理解した。
洞窟内では、高さ1mくらいの隙間をくぐる。最大限にしゃがんで進まなければならない。それが、一瞬のことであればまだしも、その体勢で10mくらい進まなければならない。いわゆるアヒルウォークである。
(11) クニマス展示館 無料
昨日24日(日)のNHK「サカナ☆スター」(出演:サカナくん)のテーマは、クニマスであった。奇しくも、番組内でこのクニマス展示館も紹介された。
(12) 富岳風穴 パスポート割
ここは、一般料金350円であるが、パスポート提示により250円となる。JAF割300円よりもお得である。
(13) 鳴沢氷穴 パスポート割
ここも、一般料金350円であるが、パスポート提示により250円となる。JAF割300円よりもお得である。
パフェ
(14) 平井売店
これは、ほうとう麺を利用した「ざるうどん」である。
(15) 特急富士回遊
富士山麓電気鉄道線内だけを利用する場合、指定席特急券は発売されず座席未指定券のみである。
(16) 富士山(ふじさん)駅
ここは、全ての列車が方向転換するスイッチバック駅である(動画はこちら)。
富士回遊は、富士山麓電気鉄道の線路から渡り線に進入し、JR中央本線下り線を通過して同上り線に進入し、5番線に停車した。富士回遊が停車してから発車するまで10分である。その10分間の中で次なる処理を遂行する。
① 大月駅の駅舎を撮影する
② 富士回遊と「あずさ」の連結風景を撮影する
富士回遊の停車位置は、階段からかなり離れている。
5番線の階段を上(のぼ)り・・・
3番線の階段を下(お)り・・・
富士山麓電気鉄道との乗り換え改札口を通過し・・・
富士山麓電気鉄道の改札口を出場し・・・
(17) 大月駅(富士山麓電気鉄道)
富士山麓電気鉄道の駅舎を撮影し・・・
乗車券(かえり) 大休30割
JRの改札口を入場し・・・
3番線の階段を上(のぼ)り・・・
5番線の階段を下(お)り・・・
富士回遊の連結部にたどり着いた。
やがて、「あずさ」が到着した。私は、連結風景を撮影(動画はこちら)したのちに、自席に着席した。
(19) むさしの号