鉄道のループ線について調べていたら、モグラ駅に興味が湧いた。モグラ駅とは、ホームがトンネル内に存在する駅のことである。
ネット情報では、地下路線にある駅についてもモグラ駅に含めている記事が見受けられるが、本記事ではモグラ駅に含めないものとする。
国内にあるモグラ駅は、次のとおりである。廃止された駅については記載していないが、廃止された駅であっても訪問したことのある駅については記載した。
(1) 竜飛(たっぴ)海底
【所在地】青森県外ヶ浜町(そとがはままち)
【所属】JR北海道
【トンネル名】青函(せいかん)トンネル
【訪問日】1998年頃
ここは見学者専用の駅であり、海底駅見学整理券を持った見学者のみが利用可能であった。現在は、旅客営業していない。
(2) 湯西川(ゆにしがわ)温泉
【所在地】栃木県日光市(にっこうし)
【所属】野岩(やがん)鉄道
【トンネル名】葛老山(かつろうやま)トンネル
【訪問日】2022年10月20日(木)
ここはモグラ駅のひとつではあるが、エレベータが設置されているので地下路線の駅と何ら変わりない。駅舎に「道の駅湯西川(ゆにしがわ)」が併設されていて、足湯を楽しむことができる。
(3) 土合(どあい)
【所在地】群馬県みなかみ町(まち)
【所属】JR東日本
【トンネル名】新清水(しんしみず)トンネル
【訪問日】1987年8月14日(金)
登山口として親しまれている
日本一のモグラ駅
<関東の駅百選>
土合駅は、日本一のモグラ駅であり、下りホームから改札口までは486段の階段を上(のぼ)らなければならない。 谷川岳登山を楽しむ人が首都圏から列車で土合駅に到着すると、まず最初に486段の階段を上(のぼ)るという大きな試練に立ち向かうこととなる。
そのモグラぶりが観光名所になっているが、列車利用者は少なく、多くは自動車利用者である。本日は、貸切バスで来たと推察される団体客まで現れた。
また、土合駅は無人駅であり、ここには、駅舎を転用したカフェ「駅茶モグラ」がある。
まずは、改札口から下りホームまで階段を下(お)りる。
486段のうち下方の462段は全体を見渡せる。右側の斜面は荷物や土砂の輸送用に利用されたと推察される。ぜひ、ここにケーブルカーを設置してほしいものである。
階段を下(お)りるにつれて、次第に気温が低くなる。漏水(ろうすい)のせせらぎも音量が増してくる。
次に、下りホームから改札口まで階段を上(のぼ)る。
486段目を示すプレート
かつての駅事務室に駅茶モグラというカフェがあり、今でも駅事務室のなごりをただよわせている。
(4) 湯檜曽(ゆびそ)
【所在地】群馬県みなかみ町(まち)
【所属】JR東日本
【訪問日】1987年8月14日(金)
山の中腹に見えるのはループ線の架線である(詳細はこちら)。上り列車は、その中腹を左から右へとゆっくり走行したのちに一旦姿を隠し、再びこのホームの奥に姿を現す。
(5) 美佐島(みさしま)
【所在地】新潟県十日町市(とおかまちし)
【所属】北越(ほくえつ)急行
【トンネル名】赤倉(あかくら)トンネル
【訪問日】 2022年9月16日(金)
ウィキペディアによると、この駅で下車すると、2分以内に退去せよという旨のアナウンスが流れ、防犯カメラで遠隔監視されているので、ホームに残っていると退去するよう要請されるらしい。
しかし、3分間ほどホームに滞在したが、退去要請の放送は無かった(動画はこちら)。
ここの階段数は65段なので、たいしたことではない。駅舎の待合室は畳敷きである。ウィキペディアによると、湯茶サービスがあるらしいのだが、本日はそのような形跡は無かった。
超快速や快速が通過する際には、相当な風圧を受けるため、駅舎とホームの間には扉が2か所存在していて、どちらか一方しか開けることができないというエアロック構造になっている。当駅に停車する列車が近づくと、標準語と英語の他に新潟弁でもアナウンスが流れる(動画はこちら)。
(6) 筒石(つついし)
【所在地】新潟県糸魚川市(いといがわし)
【所属】えちごトキめき鉄道
【トンネル名】頸城(くびき)トンネル
【訪問日】 2022年9月16日(金)
この駅が存在する頸城トンネルの全長は約11kmである。私は国内の鉄道を完乗したので、この駅にも訪れたはずである。しかし、当時はモグラ駅に関して興味がなく、下りの夜行急行「きたぐに」で通過しただけであって下車はしていない。当時の「きたぐに」は「大阪~青森」間を19時間を要して走行する長距離列車であった。電車ではなく客車であったことを記憶している。
その後もこの駅へ来たことはない。通過したことはあるかもしれないが、それもはっきりしない。
(駅舎寄りの224段)
(右の人物は同好の士か?)