2026年3月13日以前についてはこちら。
【15km超20km以下】IC運賃341円 紙運賃350円
【20km超25km以下】IC運賃440円 紙運賃440円
したがって、例えば、次のとおりである。
【営業キロ】19.9kmと20.0km
【距離差】0.1km
【運賃差】IC運賃99円 紙運賃90円
【営業キロ】20.1kmと25.0km
【距離差】4.9km
【運賃差】同額
すなわち、後者は4.9kmもの差がありながら運賃同額であるが、前者はわずか0.1kmの差であっても、IC運賃では99円、紙運賃では90円もの差が存在するのである。釈然としないかもしれないが、こういう制度なのである。
しかし、この制度を利用すれば、お得な運賃を利用することができる。それは分割運賃である。
JR東日本は、2026年3月14日の運賃改定に併せて、IC運賃と紙運賃の関係を変更した。旧運賃では幹線においては紙運賃はIC運賃の四捨五入であった(詳細はこちら)が、新運賃においては一律切り上げとした。すなわち、常に「IC運賃≦紙運賃」という不等式が成立することになった。これを考慮すると、分割運賃の考え方においても留意を伴うこととなる。
例えば、「大宮⇒深谷(ふかや)」間の場合は、鴻巣(こうのす)で分割するとお得であり、次図のとおりである。
【IC一括】大宮駅においてICカードを利用して入場する。深谷駅においてICカードを利用して出場する。
【紙一括】「大宮⇒深谷」間(または「大宮⇒910円区間」)の乗車券を所持したうえで、大宮駅において乗車券を利用して入場する。深谷駅において乗車券を利用して出場する。
【IC&IC】大宮駅においてICカードによって入場する。鴻巣駅においてICカードによって出場する。鴻巣駅においてICカードによって入場する。深谷駅においてICカードによって出場する。
【IC&紙】「鴻巣⇒深谷」間の乗車券を所持したうえで、大宮駅においてICカードによって入場する。鴻巣駅においては出入場しない。深谷駅の有人改札口において、乗車券を提出して「大宮⇒鴻巣」間のIC運賃をICカードで支払う。
【紙&IC】「大宮⇒鴻巣」間(または「大宮⇒350円区間」)の乗車券を所持したうえで、大宮駅において乗車券によって入場する。鴻巣駅においては出入場しないが、出入場してもよい。
① 出入場しない場合
深谷駅の有人改札口において、乗車券を提出して「鴻巣⇒深谷」間の紙運賃をICカード(または現金)で支払う。
② 出入場する場合
鴻巣駅において乗車券によって出場する(乗車券は回収される)。鴻巣駅でICカードによって入場する。深谷駅において、ICカードによって出場する。
【紙&紙】「大宮⇒鴻巣」間(または「大宮⇒350円区間」)の乗車券と「鴻巣⇒深谷」間の乗車券を所持したうえで、大宮駅において「大宮⇒鴻巣」間(または「大宮⇒350円区間」)の乗車券によって入場する。鴻巣駅においては出入場しないが、出入場してもよい。
① 出入場しない場合
深谷駅の有人改札口に2枚の乗車券を提出して出場する。
② 出入場する場合
鴻巣駅において「大宮⇒鴻巣」間(または「大宮⇒350円区間」)の乗車券によって出場する(乗車券は回収される)。鴻巣駅で「鴻巣⇒深谷」間の乗車券によって入場する。深谷駅において、乗車券によって出場する(乗車券は回収される)。
<後続列車に乗り継いでもあとの行程が遅延しない場合>
「IC&IC」が最もお得であり、「IC一括」よりも33円お得である。鴻巣駅において出入場する必要がある。
<後続列車に乗り継ぐとあとの行程が遅延する場合>
「IC&紙」が最もお得であり、「IC一括」よりも31円お得である。鴻巣駅において出入場する必要はない。
上述において、「IC&紙」という案は、あらかじめ「鴻巣⇒深谷」間の乗車券を所持することを示している。「えきねっと」で購入しておけば、大宮駅の指定席券売機における受け取り操作だけで済む。
なお、「みどりの窓口」でも他駅発の乗車券を購入することができる。
復路については、鴻巣で分割すると「IC&紙」となって分割合計は871円ではなく878円である。しかし、復路についても871円で済ませることができる。それは、鴻巣分割案ではなく、行田(ぎょうだ)分割案である。
なお、次なる金額の区間は、「IC運賃=紙運賃」である。
【幹線】440円 2,090円以上
【地方交通線】220円 440円 1,980円以上
【特定区間】440円
この場合は、「IC&紙」ではなく「紙&紙」とすることがおすすめである。「紙&紙」であれば、目的地で精算する必要がなく2枚の乗車券を有人改札口に提出して出場することができる。
分割運賃を検討すべきか否かの見分け方は、一括区間の営業キロが、キリのよい数値をわずかに超えている場合(例えば20.1km)である。
逆に、一括区間の営業キロが、キリのよい数値にわずかに届かない場合(例えば19.9km)やキリのよい数値に一致している場合(例えば20.0km)は、分割運賃がお得になる可能性は低い。
次に、分割駅の見つけ方であるが、上例の往路においては、「大宮~鴻巣」間の20.0kmというのが注目点である。上例の復路においては、「行田~大宮」間の29.6kmというのが注目点である。よく利用する駅については、あらかじめ営業キロのキリのよい(例えば20.0km)駅やキリにわずかに届かない(例えば19.9km)駅を見つけておくと、分割案の検討が楽である。
<実例>
【旅行日】2026年5月24日(日)
「大宮~大前(おおまえ)」間を往復した。深谷(ふかや)以遠については、「ぐんまワンデーローカルパス」を利用した。「ぐんまワンデーローカルパス」はスマートフォンを利用した「電子きっぷ」である。
旅行前日、「えきねっと」によって「鴻巣⇒深谷」間の乗車券と「行田⇒大宮」間の乗車券を購入した。旅行当日、大宮駅の指定席券売機によって、両乗車券を発券した。
大宮駅において、ICカードを利用して入場した。
長野原草津口(ながのはらくさつぐち)駅において、大宮駅入場時に使用したICカード、この乗車券、および「ぐんまワンデーローカルパス」を示して精算を申し入れた。すなわち、「大宮⇒鴻巣」間の乗車券を所持していなくて「鴻巣⇒大前」間の乗車券を所持している状態と同等である。窓口氏は、ためらうことなく処理した。なお、大宮駅においてICカードで入場したので、精算金額は紙運賃ではなくIC運賃である。ICカードで支払った。
長野原草津口駅において、「ぐんまワンデーローカルパス」を利用して入場した。




