もはや趣味の領域!「おかしな日本語」オンパレード

2023年12月31日(日)


    それは、かつて図書館で手にした一冊の本から始まった。その本は、「間違いだらけの日本語」というようなタイトルであったと記憶している。私は、その本を一気に読み終えると類似の本もすべて読みあさった。それから、日本語に対するこだわりが始まった。テレビを見ていると、おかしな日本語を耳にすることがある。そのような発言を聞くと、ツッコまずにはいられない。これはもう趣味の領域である。
    おかしな日本語に関する過去のボヤキ記事をまとめてみた赤文字部分をタッチ(クリック)すれば、内容が表示される。



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「もろばのやいば」とは何ぞや!十津川警部の哀しい発言

2023年12月31日(日)


    本日、BS-TBSで西村京太郎サスペンス「十津川警部(とつがわ)シリーズ35!金沢加賀殺意の旅」を見ていたら、十津川警部(演:渡瀬恒彦)が「もろばのやいば」と発言した。漢字で書くと「諸刃の刃」であると推察されるが、これは誤りである。正しくは「諸刃の剣」であり、読みは「もろはのつるぎ」である。十津川警部は、ふたつ間違えている。

(1)  もろば
【正】もろは
【誤】もろば

(2) やいば
【正】剣(つるぎ)
【誤】刃

    なお、「両刃の剣」という用語も存在する。「両刃」の読みは「りょうば」である。「諸刃の剣」も「両刃の剣」も意味は同じであるが、多用されるのは「諸刃の剣」のほうである。


運賃計算がややこしい!東京メトロの「西日暮里~綾瀬」間

2024年1月7日(日)


    東京メトロの「西日暮里(にしにっぽり)綾瀬(あやせ)」間は、特別な区間である。西日暮里北千住(きたせんじゅ)「北千住~綾瀬」間に分けて記述する。

(1)  「西日暮里~北千住」間

    一般に、「JR&私鉄&JR」という連絡乗車券については、JR区間の営業キロを合計し、そのJR運賃と私鉄運賃の和である。しかし、ICカードを利用する場合にはそのような処理を行うことができず、東京メトロの「西日暮里~北千住」間を挟む短距離のJR東日本区間については特別な割引運賃となっている。
【紙きっぷ】
    「JR区間の合計営業キロに対する運賃」と東京メトロ運賃の和
【ICカード】
    西日暮里における乗り換え時間が、1時間を超えるか否かによって異なる。
  【1時間超3区間の運賃の和
  【1時間以内3区間の運賃の和から100円引き

    適用される駅は、次なる各駅である。
【一方】次なる区間の駅
  ① 山手(やまのて)線
  ② 中央線「東京~新宿」間
  ③ 埼京(さいきょう)線「池袋~赤羽(あかばね)」間
  ④ 京浜東北線「品川~蕨(わらび)」間
  ⑤ 尾久(おく)
【他方】「亀有(かめあり)~取手(とりで)」間の駅

「西日暮里~北千住」間

    例えば、「日暮里~亀有」間の場合、次のとおりである。
【「北千住~綾瀬」がメトロ180円(IC運賃178円)
西日暮里~綾瀬」がメトロ350円(IC運賃391円)
    すなわち、西日暮里で乗り換えると、北千住で乗り換える場合の約2倍となるのである。これは「常磐(じょうばん)線の二重取り」問題と称されていて、亀有と金町(かなまち)の住民が訴訟を起こしている。

    また、「西日暮里~綾瀬」間の場合は、次のとおりである。
① 日暮里と北千住で乗り換え
  【JR&メトロ】180円(IC運賃178円)
② 乗り換え無し
  【メトロのみ】210円(IC運賃209円)
    ①の「北千住~綾瀬」間はメトロ区間なので、2事業者を利用することになるのだが、こちらのほうがお得である。これは、全区間がJR東日本の区間であるとしての金額である。

    類似の区間として、りんかい線の「大崎(おおさき)~大井町(おおいまち)」間が存在する。しかし、その扱いは、「西日暮里~北千住」間とは異なる。

「大崎~大井町」間

    
「西日暮里~北千住」間と「大崎~大井町」間では、次なる相違点が存在する
西日暮里~北千住
  ① 特別な割引が存在する
  ② 「のんびりホリデーSuica(スイカ)パス」や「休日おでかけパス」のフリーエリアに含まれていない
大崎~大井町
  ① 特別な割引は存在しない
  ② 両パスのフリーエリアに含まれている

    例えば、千代田線「西日暮里~北千住」経由の「日暮里~亀有」間については特別な割引が存在するが、りんかい線経由の「五反田~大森(おおもり)」間については、特別な割引は存在しない。
日暮里~亀有
  【「北千住~綾瀬」がメトロ180円(IC運賃178円)
  【西日暮里~綾瀬」がメトロ350円(IC運賃391円)
五反田~大森
  【JRのみ】180円(IC運賃178円)
  【りんかい線経由】510円(IC運賃502円)

    「西日暮里~綾瀬」間がメトロ経由である運賃は割引運賃であるが、「りんかい線」経由の運賃は3区間の運賃の単なる合計である。

    なお、「五反田⇒大崎⇒大井町⇒大森」間の「りんかい線」経由のルートについては、各社のアプリにおいて対応が異なる。
【ジョルダンの乗換案内】表示される
【Y!乗換案内】表示されない
ナビタイム】表示されない
【駅すぱあと for web】表示されない

(2)  「北千住~綾瀬」間

    常磐線の各駅停車は、「北千住~綾瀬」間については、東京メトロの「北千住~綾瀬」間を走行する。綾瀬が相互乗り入れの分岐点である。北千住も綾瀬も、常磐線と千代田線の乗り換えに際して改札を経由することはない。

綾瀬駅周辺図

    相互乗り入れの分岐点は綾瀬であるが、「北千住~綾瀬」間については、JR線の「きっぷ」でも東京メトロ線の「きっぷ」でも利用することができる。すなわち、「北千住⇒東日本会社線150円区間」の「きっぷ」でも「北千住東京メトロ線150円区間」の「きっぷ」でもよいのである。
    これは、企画乗車券についても同じことであり、都区内パスでも東京メトロ24時間券でも利用することができる。但し、JR東日本線として計算するか東京メトロ線として計算するかについては、細かい定め(こちら)が存在する。2社の運賃を使い分ける区間というのは、「北千住~綾瀬」間が国内唯一ではないだろうか。

    都区内パスを利用して亀有から新宿へ向かう場合、次なる2通りの乗り換えが考えられ、長所と短所が存在する。
北千住&日暮里乗り越し精算不要。遅い。
西日暮里乗り越し精算必要。早い。
    西日暮里には、JR東日本と東京メトロの間の乗り換え改札口が存在する。都区内パスで乗り換える際には、東京メトロ区間の運賃を精算することとなる。「綾瀬~北千住」間は東京メトロの区間であるが、JR東日本の乗車券で利用することができる。したがって、乗り越し区間は「北千住⇒西日暮里」間である。
北千住⇒西日暮里】180円(IC運賃178円)
綾瀬⇒西日暮里】210円(IC運賃209円)
    IC版の都区内パスを登録したICカードを使って亀有で入場し、西日暮里の乗り換え改札口の自動改札機にタッチしたら、精算額として178円が表示された。

履歴印字

    以上、「西日暮里~綾瀬」間に関する特長について記述したが、「南千住~北千住」間については次なる特長も存在する。
    「南千住~北千住」間については、JR東日本(以下「JR」)の他に、東京メトロ日比谷線(以下「メトロ」)と「つくばエクスプレス」(以下「TX」)も存在する。それらの運賃は、次のとおりである。
【JR】150円(IC運賃146円)
【TX】170円(IC運賃168円)
【メトロ】180円(IC運賃178円)

    「南千住~綾瀬」間については、次のとおりである。
【JR&メトロ】170円(IC運賃167円)
【メトロのみ】180円(IC運賃178円)
【TX&メトロ320円(IC運賃314円)
    すなわち、1事業者のみの路線である「メトロのみ」よりも、2事業者を乗り継ぐ「JR&メトロのほうがお得なのである。JR&メトロは、「南千住~綾瀬」間の全区間がJR東日本の区間であるとしての金額である。

    最も注意しなければならないのは、南千住で乗車して亀有か金町(かなまち)で下車する場合である。南千住において、日比谷線の改札口を入場すると大損することとなる。
    例えば、「南千住~金町」間については、入場する改札口に応じて次のとおりである。
① JRの改札口
  【JR&メトロ&JR】180円(IC運賃178円)
② TXの改札口
  【TX&メトロ&JR】350円(IC運賃346円)
③  メトロの改札口
  【メトロ&JR360円(IC運賃356円)
    ③の「メトロ」とは、「日比谷線&千代田線」のことである。
    ①も③も同じ2事業者の路線であるが、①は③の半額であるは、「南千住~金町」間の全区間がJR東日本の区間であるとしての金額である。

JR&メトロ&JR

    「南千住~亀有」間についてもほぼ同様であり、次のとおりである。
【JR&メトロ&JR】180円(IC運賃178円)
【TX&メトロ&JR】340円(IC運賃335円)
メトロ&JR350円(IC運賃345円)


乗れなくても見過ごせない!田浦ケーブルカー(神奈川県横須賀市(よこすかし))

2023年12月16日(土)


    横須賀市内の民間駐車場から高位の家屋まで階段が存在する。その階段をオーバークロスして両地点を短絡するケーブルカーが存在する。調査当時におけるGoogle Map(グーグルマップ)の航空写真でも確認することができる。
    これは、住民専用の設備であると推察される。したがって、鉄道ファンとしては、節度ある目撃に留めておくことが望ましい。
    本日は、このケーブルカーを訪問たい。

行程図

    「柏(かしわ)~久里浜(くりはま)」間の片道乗車券の営業キロは100km超200km以下であり、「大人の休日倶楽部(クラブ)」ジパング会員割引(以下「大休(おときゅう)30割」)を利用することはできない。しかし、往復乗車券にすることによって営業キロが200km超となって大休30割を適用することができる(詳細はこちら)
    一般に、片道乗車券の営業キロが100km超120km以下の場合は、その往復乗車券の大休30割よりも「のんびりホリデーSuica(スイカ)パス」のほうが安価である。しかし、「柏~久里浜」間は全線が電車特定区間であるために運賃がやや安価であり、「のんびりホリデーSuicaパス」よりも大休30割のほうが、わずかにお得である。
【大休30割(電車特定区間内のみ)】2,620円
【パス】2,670円
【大休30割(電車特定区間外を含む)】2,760円

    また、乗車券の経路については、「上野~東京」間を新幹線経由とする。全区間在来線経由であれば途中下車前途無効であるが、新幹線経由を含んでいれば途中下車前途有効である(詳細はこちら)。
    「えきねっと」ではこの経路の指定を受け付けない。したがって次なる手段を講じることとした。
① 「えきねっと」で、在来線のみ経由する乗車券を申し込む
② 指定席券売機で発券する

乗車券(ゆき) 大休30割
(変更前)

乗車券(かえり) 大休30割
(変更前)

③ 「みどりの窓口」で変更する

    「みどりの窓口」で変更を申し入れたのだが、窓口氏は新規扱いとして発券して「変更」印も押さなかった。これは、正しい処置ではない。

    「柏⇒田浦(たうら)」間と「久里浜⇒柏」間については、いずれも普通列車(快速を含む)のグリーン車を利用する。
    特急列車においては、普通車とグリーン車に料金差ほどの違いを感じてはいない。しかし、普通列車(快速を含む)においては両者の違いは歴然としている。したがって、特急列車のグリーン車を利用することはめったにないが、普通列車(快速を含む)のグリーン車はよく利用している。

    JR東日本は、1月31日までの期間限定で、通常より少ないポイント数でSuicaグリーン券と交換できるというキャンペーンを実施している
    「柏⇒田浦」間と「久里浜⇒柏」間の営業キロはいずれも50km超であり、グリーン料金の価格比較は、次のとおりである。
【ポイント交換(限定)】400P
【大休30割(土休)】560円
【ポイント交換(通常)】600P
【一般(土休)】800円

(1)  デリ・フランス

    まずは、柏駅近くで朝食である。

はちみつバターパン&サンドイッチ

(2)  常磐(じょうばん)線のグリーン車

乗車券(ゆき) 
大休30割

    Suicaグリーン券は電子きっぷであり、旅情に欠けるのが残念である。

グリーン車

(3)  横須賀(よこすか)線のグリーン車

グリーン車

(4)  七釜トンネル

    田浦駅は、トンネルとトンネルの間に存在する。七釜(しっかま)トンネルは久里浜側のトンネルである。下り列車の先頭寄りは、トンネル内に位置する。トンネル内となるドアは、閉じたままである。

停車中の横須賀線の列車

    七釜トンネルは、並列する3本のトンネルで構成される。

七釜トンネル

    用途は、次のとおりである。
【左】米軍用(廃止)
【中】下り列車用
【右】上り列車用

(5)  田浦ケーブルカー
【所在地】神奈川県横須賀市(よこすかし)
【種別】ケーブルカー
【編成】貨車1両×1路線
【運行形態】単線単行方式
【用途】貨物輸送(住民専用)
    「田浦ケーブルカー」という名称は本記事における仮称であり、正式名称は不明である。
    これは、住民専用の設備であると推察される。したがって、鉄道ファンとしては、節度ある目撃に留めておくことが望ましい。

    民間駐車場から高位の家屋まで階段が存在する。その階段をオーバークロスして両地点を短絡するケーブルカーが存在する。調査当時におけるGoogle Map(グーグルマップ)の航空写真でも確認することができる。

田浦ケーブルカー

全景(左側面)

全景(正面)

全景(右側面)

下駅

上駅

電動機

(6)  のの字坂(ざか)

    ここは、ループ線である。非常に小さなループ線であり、全体を見渡すことができる。


(7)  月見台市営住宅

    ここは、「天空の絶景廃墟」と呼ばれている。

「Dの3-6」号棟

(8)  田浦梅の里 無料

    ここには、スロープカーが存在する。
【所在地】神奈川県横須賀市(よこすかし)
【種別】スロープカー(跨座式)
【編成】電車1両&荷物車1両×1路線
【運行形態】単線1編成方式
【用途】貨物輸送(関係者専用)
    このスロープカーは、かつて「田浦青少年自然の家」の設備として紹介されていたが、田浦青少年自然の家」は閉鎖された。当時の貨物は宿泊者の荷物であったが、現在の貨物は、農業機材や収穫された梅の実である。

スロープカー線路略図

    グーグルマップが示す経路に従って進むと、とんでもない場所に案内されることがあるが、功を奏することもある。グーグルマップによって「田浦駅」と「田浦梅の里展望塔」を設定すると、「田浦梅の里展望塔」のアプローチ地点としてこのスロープカーの下駅の位置が示される。但し、下駅の位置から線路沿いに登ることはできず、「自然の家」駅に行くには児童広場経由となる。

下駅

    門扉(もんぴ)が施錠されていて、これ以上線路に近づくことはできない。

上駅に向かう線路

急カーブ

    「自然の家」駅手前に、カーブが存在する。

「自然の家」駅

上駅に向かう線路

上駅に向かう線路

上駅

    ロープが張られていて、これ以上線路に近づくことはできない。

展望塔

展望&看板

(9)  横須賀駅
<関東の駅百選>

階段がひとつもない平坦な駅

(10)  横須賀海軍カレー本舗 大休割

店舗

ビーフカレー
(コロッケ付き)

    ミルクが付くというのは珍しい。

(11)  浦賀(うらが)の渡し

ポンポン船

    航行風景の動画はこちら
    前方展望の動画はこちら

(12)  くりはま花の国 無料

【足湯】湯足里(ゆったり) 無料

全景

体験

(13)  横須賀線のグリーン車

乗車券(かえり) 
大休30割

   Suicaグリーン券は電子きっぷであり、旅情に欠けるのが残念である。

(14)  甘楽(かんら)

豆大福

(15)  常磐線のグリーン車

グリーン車

(16)  サイゼリア

マルゲリータピザ



乗り越し運賃がお得!「お得なきっぷ」IC版

 2023年12月3日(日)


    各鉄道事業者は、さまざまな「お得なきっぷ」を発売している。最近は、ICカードやスマホに記録するタイプも存在する。一般に、「お得なきっぷ」に紙きっぷと電子きっぷの2種類が存在する場合、紙きっぷよりも電子きっぷのほうがお得であるなぜならばフリーエリア外に乗り越す場合、乗り越し運賃は、「お得なきっぷ」が紙きっぷである場合よりも電子きっぷである場合のほうが低額なのである。これには、次なるルールが関係している。
① IC運賃紙運賃の違い
    乗り越し運賃が「IC運賃<紙運賃」の場合、当然のことながら電子きっぷのほうがお得である。
② 原券が電子きっぷであるかきっぷであるか
    原券が電子きっぷであれば乗り越し運賃もIC運賃であり、原券がきっぷであれば乗り越し運賃も運賃である。

    以下、JR東日本の都区内パスを例にして記述する。

乗車券

ご案内

① IC運賃と紙運賃の違い
    JR東日本においては、紙運賃がIC運賃の四捨五入であるか切り上げであるかについては、対象となる区間に依存する。その違いは、次のとおりである。
幹線や地方交通線を含む】四捨五入
電車特定区間と山手線内切り上げ
   すなわち、電車特定区間内において乗り越す場合、紙運賃よりもIC運賃のほうが低額である(同額の場合も存在する)。したがって、都区内パスについても、紙きっぷよりも電子きっぷのほうがお得である。しかも電子きっぷであれば、精算処理は改札機によって自動精算されるので、精算の手間がはぶける。
    電車特定区間のうち都区内パスのフリーエリア外である駅は、次の区間の各駅である。
【京葉線】舞浜~千葉みなと
【総武線】市川~千葉
【常磐線】松戸~取手
【東北線】川口~大宮
【埼京線】戸田公園~大宮
【中央線】吉祥寺~高尾
【武蔵野線】全区間
【青梅線】区間
【五日市線】区間
【南武線】区間
【横浜線】全区間
【鶴見線】全区間
【東海道線】川崎~大船
【根岸線】全区間
【横須賀線】武蔵小杉~久里浜
【JR相鉄直通線】羽沢横浜国大

② 原券が電子きっぷであるかきっぷであるか
    一般に、原券が紙きっぷであれば乗り越し運賃も紙運賃であり、原券が電子きっぷであれば乗り越し運賃もIC運賃である。このルールは、原券が「お得なきっぷ」の場合も同様である。

    以下、具体例である。

(1) 都区内から都区外へ
    都区内パスを所持して都区内の駅から武蔵小金井(むさしこがねい)に行く場合、乗り越し区間は「西荻窪(にしおぎくぼ)⇒武蔵小金井」間である。その乗り越し運賃は、都区内パスが電子きっぷであるか紙きっぷであるかに応じて、次のとおりである。
【電子きっぷ】178円
【紙きっぷ】180円
    すなわち、都区内パスが電子きっぷであれば乗り越し運賃が2円お得である。
    その精算処理は、都区内パスが電子きっぷであるか紙きっぷであるかに応じて、次のとおりである。
【電子きっぷ
  ① 改札機にタッチする
  ② 自動精算される(178円)
  ③ 出場する
きっぷ】
  ① 精算窓口に都区内パスを提示する(精算機は不可)
  ② 精算する(180円)
  ③ 都区内パスを受け取って出場する

(2) 都区から都区
    都区内パスを所持して武蔵小金井から都区内の駅で下車する場合、乗り越し区間は「武蔵小金井西荻窪」間である。その区間の運賃は、ICカードで入場したか紙きっぷ(180円)で入場したかに応じて、次のとおりである。
【ICカードで入場】178円
【紙きっぷで入場】180円
    すなわち、(都区内パスが電子きっぷであっても紙きっぷであっても)武蔵小金井においてICカードで入場すれば、乗り越し運賃が2円お得である。

乗り越し運賃の例

    例として、次なる経路の履歴印字を紹介する。
【往路】新橋⇒武蔵小金井
復路武蔵小金井荻窪

武蔵小金井における出入場履歴

    出場時における精算処理については、都区内パスが電子きっぷであるか紙きっぷであるか、さらにICカードで入場したか紙きっぷ(180円)で入場したかに応じて、次のとおりである。
都区内パスが電子きっぷ
  【ICカードで入場】
    ① 改札機にタッチする
    ② 自動精算される(178円)
    ③ 出場する
  【紙きっぷで入場
    ① 紙きっぷとICカードを精算窓口に提示する(精算機は不可)
    ② 窓口氏がICカードに都区内パスが存在することを確認する
    ③ ICカードを受け取って出場する
都区内パスがきっぷ】
  【ICカードで入場】
    ① ICカードと都区内パスを精算窓口に提示する(精算機は不可)
    ② 精算する(180円)
    ③ ICカードを受け取って出場する
  【紙きっぷで入場
    ① 紙きっぷと都区内パスを精算窓口に提示する(精算機は不可)
    ② 都区内パスを受け取って出場する

    なお、乗り越し区間が幹線や地方交通線を含む場合は、差額が切り上げではなく四捨五入である。したがって、下車駅が切り捨てであるか切り上げであるか事前に調べた上で、次なる方針とすることが推奨される。
【切り捨て駅】入場前に指定席券売機で乗り越し区間の紙きっぷを購入しておく
【切り上げ駅】電車特定区間の場合と同様

    以上のことは、次なる「お得なきっぷ」についても同様である。
① 都営地下鉄ワンデーパス
② 東京メトロ24時間券
③ 都営まるごときっぷ
④ 東京メトロ都営地下鉄共通一日乗車券
⑤ 都営地下鉄・東京メトロ共通一日乗車券
⑥ 東京フリーきっぷ
⑦ のんびりホリデーSuicaパス
⑧ 休日おでかけパス
    さらに、紙運賃や現金運賃がIC運賃の切り上げとなっていれば、その他の鉄道についても同様である。
    なお、均一運賃制度の鉄道については、乗り越しという概念が存在しない。
【例】都電一日乗車券/世田谷線散策きっぷ

    バスの「お得なきっぷ」については、乗り越した場合に全区間について現金運賃が適用され、乗り越し運賃は現金運賃である
【例】都営バス一日乗車券
  【都区内のみ
    均一運賃なので、乗り越しという概念が存在しない。
  【都区外を含む
    全区間について現金運賃が適用され、乗り越し運賃は現金運賃である。

    なお、多くの「お得なきっぷ」には、特典が存在する。特典を利用する場合は「お得なきっぷ」を提示する必要があるので、ICカードに記録されかつICカードの表面に何も印刷されない電子きっぷでは特典を利用することはできない。
都電IC一日乗車券/都営バスIC一日乗車券