湘南軌道について調べていて、ややこしい状況に遭遇した。
ウィキペディア「湘南軌道」に、「車両数の変遷」という項目が存在する。そこに、馬車鉄道時代として、「馬:29匹」という記述が存在する。
馬の助数詞は、「匹(ひき)」ではなく「頭(とう)」である。一般的に、人間より小さい動物は「匹」で、人間より大きい動物は「頭」である。抱きかかえられるか否かが、その境界線である。いくつかの例外が存在する。通常の犬は「匹」であるが、大型犬は「頭」である。また、盲導犬や警察犬は「頭」である。わかりづらいのは蝶である。通常は「匹」でよいのだが、学術的な場面では「頭」とする。
成長後の大きさとして「頭」が適切である動物については、生まれたての段階でも「頭」である。馬や牛は生まれたてでもかなり大きいので、「頭」とすることに抵抗がない。しかし、パンダについては留意が必要である。生まれたてのパンダは「匹」が適切であるくらいに小さいのだが、生まれたてでも「頭」である。パンダが一般家庭で飼育されることはない。すなわち、パンダの生活環境は学術現場に限られる。したがって、「頭」が使用される。
このようにややこしいことを論ぜずとも、馬の助数詞を「匹」とすることは常識を欠いていると言わざるをえない。ウィキペディア「湘南軌道」の記事は、多くの編集者によって築き上げられた文章である。「29匹」という表記は2021年7月9日に追記された情報であるが、2021年7月9日から本日まで誰も違和感を覚えなかったのであろうか。残念なことである。