乗り鉄は見過ごせない!首都圏の斜行エレベータはしご旅(神奈川県横浜市)

2023年2月18日(土)


    かつて、スロープカーと斜行エレベータについて記述したことがある(詳細はこちら)。スロープカーには、遊覧鉄道としての楽しさがある。しかし、斜行エレベータは、車両が斜めに移動するということ以外、一般ビルの垂直エレベータと何ら変わりないので、心折れるタイプであることが多い。

    横浜市は丘陵地が多く、そこの集合住宅は斜面に建設されることが多い。斜面に建設されたマンションや住宅街は、それ自体が特別な雰囲気を呈している。まるで地中海の住宅群かと見間違うような住宅街もある。斜面住宅の萌(も)え具合に魅せられたマニアも存在する。
    そのような住宅街では、斜行エレベータが多用される。本日は、首都圏の斜行エレベータをはしごしてみたい。

行程図(下線:最寄り)

    春日部(かすかべ)から東京に行く場合、大宮乗り換えと柏(かしわ)乗り換えの2案が考えられるが、柏乗り換えのほうが乗り換えが容易である

    復路の「保土ケ谷(ほどがや)⇒柏」間については、乗車券を分割するとお得である。これは、「横浜~品川」間の運賃が、京急との競合により特別に安価に設定されているためである。
【A案】分割(品川下車無し)
  ① 保土ケ谷⇒横浜 136円(IC)
  ② 横浜⇒品川 300円(紙)
  ③ 品川⇒柏 650円(紙)
  合計 1,086円
【B案】分割(品川下車有り)
  ① 保土ケ谷品川 396円(IC)
  ② 品川⇒柏 649円(IC)
  合計 1,045円
【C案非分割(品川下車無し)
  保土ケ谷⇒柏 1,100円

    柏⇒新橋(しんばし)」間と「保土ケ谷⇒柏」間についは、普通列車(快速を含む)のグリーン車を利用する。保土ケ谷⇒柏」間については、1枚の普通列車用グリーン券で普通列車(快速を含む)グリーン車を乗り継ぐことができる
    特急列車においては、普通車とグリーン車に料金差ほどの違いを感じてはいない。しかし、普通列車(快速を含む)においては両者の違いは歴然としている。したがって、特急列車のグリーン車を利用することはめったにないが、普通列車(快速を含む)のグリーン車はよく利用している。
    なお、大宮において「大宮⇒東京」間における普通列車(快速を含む)のグリーン車に着席しようとしても既に満席になっていることが多い。しかし、柏において⇒東京」間の普通列車(快速を含む)のグリーン車に着席することは、確実性が高い。その点においても、大宮乗り換えではなく柏乗り換えのほうが優位である。

    JR東日本は、1月31日までの期間限定で、通常より少ないポイント数でSuica(スイカ)グリーン券と交換できるというキャンペーンを実施していた。1月31日に本日分のSuica(スイカ)グリーン券を申し込んでおいたので、それを利用する。
    両区間の営業キロはいずれも50km超であり、グリーン料金の価格比較は、次のとおりである。
【ポイント交換(限定)】400P
【ポイント交換(通常)】600P
【一般(土日祝)】800円

    品川で2本の普通列車(快速を含む)のグリーン車を乗り継ぐのだが、1枚の普通列車用グリーン券で2本の普通列車(快速を含む)グリーン車を乗り継ぐためには、品川で改札口を出るわけにはいかない。したがって、前述の3案について普通列車用グリーン料金も併せて評価すると、次のとおりである。
【A案】分割(品川下車無し)
  ① 運賃(保土ケ谷⇒横浜) 136円(IC)
  ② 運賃(横浜⇒品川) 300円(紙)
  ③ 運賃(品川⇒柏) 650円(紙)
  ④ 料金(保土ケ谷⇒柏) 400P
  合計 1,486円
【B案】分割(品川下車有り)
  ① 運賃(保土ケ谷品川) 396円(IC)
  ② 料金(保土ケ谷品川) 400P
  ③ 運賃(品川⇒柏) 649円(IC)
  ④ 料金(品川⇒柏) 400P
  合計 1,845円
【C案非分割(品川下車無し)
  ① 運賃(保土ケ谷⇒柏) 1,100円
  ② 料金(保土ケ谷⇒柏) 400P
  合計 1,500円

    したがって、乗車券についてはA案を採用する。すなわち、次なる手順である。
① 保土ケ谷駅の指定席券売機で「横浜⇒品川」間と「品川⇒柏」間の片道乗車券を購入する
② 保土ケ谷駅の改札機にSuicaを投入して入場する
③ 柏下車時に次のとおり精算する
横浜⇒】①で購入した切符を提出する
【保土ケ谷⇒横浜】②で使用したSuicaを提示してチャージ残高で支払う

    なお、「ほどがや」を漢字表記する場合は、注意が必要である。
  【保土ケ谷】保土ケ谷公園(神奈川県庁)/保土ケ谷区(横浜市役所)/保土ケ谷駅(JR東日本)/保土ケ谷駅東口(横浜市営バス)
  【保土ヶ谷】保土ヶ谷バイパス(国土交通省)/シャリエ保土ヶ谷公園(多くの不動産業者)/保土駅東口(神奈中バス)
    国と自治体で相違があることに興味を覚える。
    ネット記事では、「保土ケ谷」よりも「保土ヶ」のほうが多いように感じられる。これは、Windowsパソコンで「ほどがや」を漢字変換した場合に、変換候補として「保土ヶ」のみが表示される(IME2010の場合)ことが原因していると推察される。

(1)  普通列車のグリーン車

    Suicaグリーン券は電子切符であり、旅情に欠けるのが残念である。

グリーン車

(2)  赤坂見附(あかさかみつけ)駅

    ここには、斜行エレベータが存在する。赤坂見附(あかさかみつけ)駅と永田町(ながたちょう)駅との間に階段があり、その階段に沿って斜行エレベータが設置されている。
【所在地】東京都港区
【規模】1基
【用途】駅間アクセス

上駅(赤坂見附側)
(右側は階段)

下駅(永田町側)

(3)  コリナス長池

    ここには、斜行エレベータが存在する。私は、現役時代に首都大学東京(現:東京都立大学)に行くことが多かった。当時、その帰路に立ち寄ったことがある。本日は二度目の訪問である。
【所在地】東京都八王子市(はちおうじし)
【規模】1基
【用途】住宅地アクセス

全景

下駅

上駅

(4)  セントラルコート溝ノ口(みぞのくち)

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されていて、立ち入ることはできない。
【所在地】神奈川県川崎市(かわさきし)
【規模】1基
【用途】集合住宅内アクセス(住民専用)

全景

(5)  インペリアル菊名(きくな)

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されてはいないのだが、立入禁止の掲示が存在する。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】1基
【用途】集合住宅内アクセス(住民専用)

全景

(6)  地下鉄・バス1日乗車券

    採算は、次のとおりである。
【1日乗車券】 830円
【都度払い】
① 地下鉄 242円+367円=609円
② バス 220円×4回=880円
合計 1,489円

一日乗車券

    右上方にある印字は、「日吉-2.18」である。日吉駅入場の際に印字された。

(7)  ララヒルズ

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されていて、立ち入ることはできない。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】1基
【用途】集合住宅アクセス(住民専用)

全景

(8)  グランドメゾン三渓園(さんけいえん)

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されていて、立ち入ることはできない。ここは崖の上のマンションであり、特に異様な光景である。斜行エレベータは崖の側面に張り付いたような状態である。斜行エレベータというよりも垂直エレベータに近い。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】1基
【用途】集合住宅アクセス(住民専用)

マンション全景
(右端:斜行エレベータ)

崖側面

斜行エレベータ
全景

    なお、「さんけいえん」の漢字表記については、留意を伴う。
  【マンション名】三渓園
  【観光施設名】三溪園
  【横浜市営バス停名】三溪園入口
  【フジエクスプレスバス停名】三渓園入口
  【首都高出入口】三溪園出入口

(9)  ルネ上星川
    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されていて、立ち入ることはできない。ここは、丘の斜面に建設されたマンションである。その風景は異様さを感じる。遠目(とおめ)には戸建(こだて)住宅のように見えるが、マンションらしい。上星川(かみほしかわ)駅のホームからでも眺めることができる。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】2基(
層階用と層階用)
【用途】集合住宅内アクセス

マンション全景

斜行エレベータ
全景
(左:高層階用  右:低層階用)

(10)  ホーユウヒルサイドテラス上星川

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されてはいないのだが、立入禁止の掲示が存在する。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】1基
【用途】集合住宅内アクセス(住民専用)

全景
(中央の階段下が斜行エレベータ)

(11)  シャリエ保土ヶ谷公園

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されていて、立ち入ることはできない。バス停からここまで徒歩5分であるが、上り下りを繰り返す急勾配坂道を往復することとなる。特に、復路はキツい。本日最大の苦行であった。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】1基
【用途】集合住宅内アクセス(住民専用)

全景
(中央の階段下が斜行エレベータ?)

(12)  サンヴェール保土ヶ谷

    ここには、斜行エレベータが存在する。施錠されておらず、立入禁止の掲示を見つけることもできなかったが、立ち入らないほうがよいように感じられる。
【所在地】神奈川県横浜市
【規模】1基
【用途】集合住宅内アクセス(住民専用)

全景

(13)  普通列車のグリーン車

    Suicaグリーン券は電子切符であり、旅情に欠けるのが残念である。

グリーン車

乗車券
(IC運賃303円)

(14)  なだ万(まん)

    本日の夕食は、いつもどおり品川駅の駅弁である。

梅見御膳(うめみごぜん)

(15)  ゴジラプレート

    品川駅のホームに、ゴジラをモチーフにして描かれたプレートが埋め込まれている。これは、東宝(とうほう)映画「ゴジラ」(1954年)において、ゴジラが品川に上陸したことにちなむ図案である。山手(やまのて)線の内回り8号車付近に存在する。

1番線の8号車付近

ゴジラプレート

郵便ポスト&ゼロキロポスト
(ポストつながり?)

(16)  普通列車のグリーン車

乗車券

    Suicaグリーン券は電子切符であり、旅情に欠けるのが残念である。

グリーン車