乗れなくても見過ごせない!檜原村の福祉モノレール(東京都檜原村(ひのはらむら))

2023年6月24日(土)


    東京都内に檜原村(ひのはらむら)という村が存在する。檜原村は、島嶼(とうしょ)部を除けば、東京都内唯一の村である。その檜原村に、住民専用の福祉モノレールが存在する。
    檜原村役場では、高齢者に対する福祉事業としてモノレールの設置を行っている。
    これは、住民専用の設備である。したがって、鉄道ファンとしては、節度ある目撃に留めておくことが望ましい。

    福祉モノレールは、交通弱者を救済するために檜原村役場が建設したモノレールであり、計5路線が建設された。その5路線のうちの4路線は藤原(ふじわら)地区に建設され、残り1路線は数馬(かずま)地区に建設された。藤原地区は、秘境路線バスの終点である藤倉(ふじくら)というバス停が存在する地域である。
    なお、藤原も数馬も檜原村の字名(あざめい)であるが、藤倉は字名ではなく農業集落名である。

    建設された5路線の区間は、次のとおりである。
猿江(さるえ)線旧藤倉小前~猿江
中組(なかぐみ)線(別称:藤原線)旧藤倉小前~中組
日向平(ひなたびら)線藤倉~日向平
千足(せんぞく)線総角沢(そうがくざわ)~小林家住宅
臼久保(うすくぼ)線(別称:数馬線)下平(しもだいら)~臼久保

    猿江線と中組線については確認済みである。他の3路線については、所在地があいまいでかつ現存するか否かも不明瞭なので、訪問を躊躇していた。そうしたら、某閲覧者から、現存する旨と所在地に関する詳細情報が届いた。住民専用なので訪問しても乗車することはできない。走行状態を目撃することすらできないかもしれないのだが、起点の駅だけでも見たいという気持ちが湧いてきた。
    本日は、未確認の3路線を訪ねたい。

    西東京バスの武蔵五日市(むさしいつかいち)駅から藤倉と下平を経由して武蔵五日市駅に戻るまでの時刻表は、次のとおりである。

時刻表

    ④以前のバスを利用するには早起きしなければならない。⑩以降のバスを利用すると就寝が遅くなる。したがって、利用可能なバスは⑤~⑨であり、不測の事態を考慮して⑤と⑥を利用する。

行程図

    「春日部(かすかべ)~立川(たちかわ)」間の経路については3通りが考えられ、武蔵野(むさしの)線の乗車駅と併せて記載すると、次のとおりである。
【東武スカイツリーライン】南越谷(みなみこしがや)
【京浜(けいひん)東北線】南浦和(みなみうらわ)
【埼京(さいきょう)線】武蔵浦和(むさしうらわ)
    武蔵野線における着席可能性を考慮すると、なるべく早く武蔵野線に乗車したほうがよいと推察される。したがって、東武スカイツリーライン経由を採用する。

    「南越谷~武蔵五日市」間については、立川における分割乗車がお得である。運賃比較は、次のとおりである。
【分割(IC)】1,054円
【分割(紙)】1,060円
【一括】1,110円
    なお、立川分割案と同額の駅は、いくつか存在する。立川は乗り換え予定駅であるが、立川以外はいずれも乗り換え予定駅ではない。したがって、立川分割案を採用する。立川で一旦出場し、朝食をとったのちに再入場する。運賃は、IC運賃である。

(1)  珈琲館(コーヒーかん)

    まずは、立川駅近くで朝食である。

トースト&スクランブル

    このトーストは美味である。

(2)  青梅短絡線

    青梅(おうめ)線の「立川~西立川」間の下り線は、上り線からかなり離れている。その両線に挟まれた地域には、多くの民家が存在する。青梅短絡線という名称は、JRで使われている正式名称であるが、本線(上り)より短絡線(下り)のほうが距離が長い。どこが短絡線やねん。

青梅短絡線

    動画はこちら

(3)  武蔵五日市駅

行き止まり

駅舎

    かなり大きな駅舎であるが、無人駅である。土休日は、多くの観光客が訪れる。土休日だけでも駅員配置したほうがよいと感じられる。

自動販売機

(4)  藤倉バス停

バス停

待合所

    動画はこちら

「藤原」は字名

    藤原集落と倉掛集落を合わせて藤倉地区と称している。

藤倉マップ

    藤倉地区については、藤倉マップにモノレールの位置が明記されている。

(5)  福祉モノレール日向平線

【所在地】東京都檜原村
【種別】ラックリフト(跨座式)
【設備名称】モノレール
【編成】動力車1両&客車1両&荷物車1両×各1路線
【運行形態】単線1編成方式
【区間】藤倉~日向平
【用途】住宅アクセス(住民専用)

    日向平線の起点となる藤倉駅の所在地については、ネット情報が乏しい。藤倉バス停をあとにして、都道205号線を総角沢方面に進み、右折する。その道を進むと左側に藤倉駅が現れる。

所在地略図(藤原集落)

総角沢方面に進んで
ここを右折する

藤倉駅近景
(右の箱は郵便受け)

    ここでは、横揺れ防止のために、ラックレールの右側に金属製の管(パイプ)が存在する。

藤倉駅遠景

(6)  福祉モノレール千足線

【所在地】東京都檜原村
【種別】ラックリフト(跨座式)
【設備名称】モノレール
【編成】動力車1両&客車1両&荷物車1両×各1路線
【運行形態】単線1編成方式
【区間】総角沢~小林家住宅
【用途】住宅アクセス(住民専用)

ハイイロチョッキリという
キャンプ場のそばを通過後
ここを脇道へ

脇道

デマンドバス時刻表(平日限定)

総角沢駅

    ここは、ハイイロチョッキリというキャンプ場の敷地内である。この路線の終点は小林家住宅であり、既に訪問したことがある(詳細はこちら)。
    なお、但し、ワイモバイルの場合であるが、藤倉バス停をあとにしたのち、ここまでの路上では圏外であり、途中の路上で転倒して自力歩行できなくなっても携帯電話で助けを呼ぶことはできない。

(7)  ハイイロチョッキリ

シフォンケーキ&ラムネ

(8)  払沢(ほっさわ)の滝
<日本の滝百選>

    この滝は、東京都内で唯一、「日本の滝百選」に選ばれた。

人、人、人・・・

払沢の滝

(9)  ちとせや

うの花ドーナツ

(10)  福祉モノレール臼久保線

【所在地】東京都檜原村
【種別】ラックリフト(跨座式)
【設備名称】モノレール
【編成】動力車1両&客車1両&荷物車1両×各1路線
【運行形態】単線1編成方式
【区間】下平~臼久保
【用途】住宅アクセス(住民専用)

所在地略図(数馬集落)

下平バス停

    このバス停は、下り(数馬方面)上り(武蔵五日市駅方面)兼用であり、上り側の歩道に存在する。

下平バス停から後方に戻って
ここを脇道へ

    目印は、「数馬の里」という民宿の看板である。なお、Google Map(グーグルマップ)を見ると、下平バス停のさらに次のバス停「温泉センター」の近くに「数馬の里」という観光名所が存在するが、「数馬の里」という民宿はそれとは別物である。

民宿と下平駅

下平駅

いわゆるガード下
(下平駅から約10m進んだ場所)

    「下平⇒武蔵五日市駅」間の路線バスでは、後方の窓側7席に電源コンセントが存在した。バスの電源コンセントを初めて見た。AC出力とDC出力のどちらでも利用可能である。

(11)  久森(ひさもり)
1852年建築
<国の登録有形文化財>

    ここは、蔵を改修したカフェである。

外観(左は森田家の入口)

抹茶あずき

    氷については、客が「スモール/ミディアム/レギュラー」のいずれかを指定する。この写真はスモールであるが、スモールでもかなりの大きさである。
    ここでは、客がシロップとトッピングを「あとのせ」する。

    ところで、かき氷は「甘味処」の定番メニューであるが、その「甘味処」の読みは「あまみどころ」であり、「かんみどころ」は誤りである。「甘味料(かんみりょう)」という読みに引きずられているものと推察される。
    そもそも、「苦み」や「旨み」に並ぶことばとして「甘み」ということばが存在していて、「み」の当て字として「味」という文字が使われるようになった。したがって、「甘味」の読みは「あまみ」なのである。ところが「甘味料」ということばが流布(るふ)されるにつれて、「甘味」を「かんみ」と読むようになった。
    現在は「かんみどころ」派が7割という調査結果もあるようなので、「かんみどころ」も正しいとする意見もある。

森田家

(12)  ガスト シニア割

白玉(しらたま)あんみつ

(13)  むさしの号

    この列車は、国立(くにたち)支線と大宮支線を経由する。この列車を利用すれば、「立川⇒大宮」間が乗り換え不要である。

国立支線と大宮支線

(14)  大宮横丁

    ここは、全国ご当地グルメを提供するフードコートである。コンセプトは昭和である。店内の壁には、昭和のポスター、ホーロー看板、レコードジャケットなどが飾られている。テーブルにはアルミの縁取りがあり、椅子の脚は鉄製で座面や背もたれはビニール被覆である。

名古屋味噌煮込うどん