乗れなくても見過ごせない!さがみ路でインクラインめぐり(神奈川県相模原市(さがみはらし))

2025年3月24日(月)


    城山(しろやま)発電所と津久井(つくい)発電所に、インクラインが存在する。本日は、それらのインクラインを訪問したい。

行程図

    併せて、道志(どうし)第二発電所のロープウエーと沼本(ぬまもと)ダムのモノレールも訪問したい。道志第二発電所の最寄り路線バス時刻表は、次のとおりである。なお、この路線は、全便土日祝日運休である。

時刻表

    ①を利用するには、早起きしなければならない。⑤を利用すると就寝が即なる。②や③でもよいのだが、時間的余裕が小さい。したがって、④を利用するしかない。

(1)  城山発電所
【所在地】神奈川県相模原市(さがみはらし)
【種別】ケーブルカー
【設備名称】インクライン
【編成】貨車1両×1路線
【運行形態】単線単行方式
【用途】発電室アクセス(関係者専用)
【最寄りバス停】
  【近距離】大戸(おおと)
    【近景】歩9分
    【遠景】歩20分
  【多頻度】法政(ほうせい)大学
    【近景】歩35分
    【遠景】歩46分
【航空写真】確認可能
【グーグルアース】確認容易
【ストリートビュー】確認困難
【管理者】神奈川県庁
【取水】城山湖
【放水】津久井湖
   と門扉が存在し、門扉には立入禁止の掲示が存在する。したがって、鉄道ファンとしては、節度ある目撃に留めておくことが望ましい。野球場使用中は門扉が開放されていると推察される。そうであれば、野球場の使用を申請すれば、インクラインの近景を目撃することができる。
    グーグルマップで城山発電所の位置を探す場合、「城山発電所」というキーワードを検索すると、発電総合制御所の位置が示される。インクラインの地上駅は、その敷地内ではなく、本沢(ほんざわ)ダムの下流にある城山湖(しろやまこ)野球場の南側に存在する。発電室は、地下に存在する。
    5~21名の団体であれば見学可能であるが、4名以下では見学不可である。8月に見学会が開催されるが、参加資格は神奈川県内在住の親子である。城山発電所を見学すれば、インクラインを目撃することができる。

周辺図

城山湖野球場入口

    龍籠山(たつごやま)展望台入口から城山湖へ向かう道路の途中に門扉が存在するが、歩行者は通行可能である。その門扉から約10m進んだ地点において、インクラインの遠景を目撃することができる。
    調査当時のグーグルマップにおいてバス停からその目撃地点までの徒歩経路を表示させると遠回りの経路が表示されるが、龍籠山展望台入口手前に存在する階段を使えば近道である。

周辺図

城山湖入口

高位側の駅(遠景)

    ケーブルを目撃することができる。拡大すると、次のとおりである。

高位側の駅(拡大)

    調査当時のグーグルマップでは城山湖の位置を示す記号がダムの低位側に存在していたが、ダム湖の中央付近に存在するほうが適切であると感じられた。グーグルマップに修正を進言したら、速やかに承認された。

城山湖

    城山発電所は、城山湖と津久井湖(つくいこ)の標高差を利用した発電所である。城山発電所は城山湖に存在するが、城山ダムは津久井湖に存在する。まことにややこしい。ダム湖、ダム、および発電所の関係は、次のとおりである。
  【城山湖】本沢ダム&城山発電所
  【津久井湖】城山ダム&津久井発電所

城山湖&津久井湖

    調査当時のY!乗換案内アプリでは、「大戸(おおと)11:15発⇒小倉(おぐら)」を検索すると、運賃の高い経路が先頭に表示された(詳細はこちら)。

(2)  津久井発電所
【所在地】神奈川県相模原市
【種別】ケーブルカー
【設備名称】インクライン
【編成】貨車1両×2路線
【運行形態】単線単行方式
【用途】貨物輸送(関係者専用)
【最寄りバス停】
  【施設見学】谷ケ原(たにがはら)(歩6分)
  【遠景目撃】
    【近距離】宮原(みやはら)(歩7分)
    【多頻度】小倉(おぐら)(歩11分)
【航空写真】確認可能
【グーグルアース】確認容易
【ストリートビュー】確認可能
【管理者】神奈川県庁
【取水】
  【1号機】城山ダム
  【2号機】沼本ダム
【放水】相模川
    傾斜線の他に平坦線も存在し、両者が直列している。平坦線については厳密なことを言えばインクラインではないが、これも併せてインクラインと称している可能性が高い。
    柵と門扉で囲まれていて、門扉に立入禁止を示す掲示が存在する。したがって、鉄道ファンとしては、節度ある目撃に留めておくことが望ましい。
    なお、相模川(さがみがわ)を挟んだ対岸から遠景としてインクラインを目撃することができる。ストリートビューにおける確認判定は、対岸の道路からの眺めに基づいている。テニスコートは低位に存在するので、そこからインクラインを目撃することはできない。
    また、10~40名の団体であれば発電所の見学が可能であり、インクラインを目撃することもできる。9名以下では見学不可である。

周辺図

遠景

立入禁止

高位側の駅

    ケーブルを目撃することができる。

管理事務所

水車ランナー

    津久井発電所は、城山ダムの下流側に存在する。しかし、城山ダムのダム湖は、城山湖ではなく津久井湖である。まことにややこしい。ダム湖、ダム、および発電所の関係は、次のとおりである。
  【津久井湖】城山ダム&津久井発電所
  【城山湖】本沢ダム&城山発電所

    なお、一般社団法人電力土木技術協会の水力発電所データベースにおいて、この津久井発電所に関連する貯水池として誤植が存在し、次のとおりである。
  【誤】城山貯水池
  【正】津久井貯水池

(3)  三ヶ木バスターミナル

木バスターミナル

    この規模のバスターミナルは、鉄道駅の近くでは珍しくない。しかし、ここは鉄道からかなり離れた位置である。
    神奈中バスは、「お得なきっぷ」のたぐいを発行していない。しかし、株主優待乗車券(以下「株主」)が存在する。「三ヶ木~夫婦園(めおとえん)」間の運賃は、次のとおりである。
【一般】460円
【株主】350円

株主優待乗車券

    ネット記事において、かつて三ヶ木(みかげ)バスターミナル向かって左隣に金券自販機が存在したという主旨の記述が存在する。しかし、調査当時のストリートビューによると存在しなかった。撤去されたものと推察される。したがって、ここへ来る途中、橋本駅前で「株主」を2枚購入しておいた。橋本駅の京王南口に向かって右隣に金券自販機が存在し、価格は400円であった。しかし、左隣に存在する店舗「アクセスチケット」では350円であった。
    なお、バス停名称「三ヶ木」の表記は、統一されてはいない。
【ヶ】バス停/路線図/時刻表
【ケ】車内の運賃表

(4)  道志第二発電所
【所在地】神奈川県相模原市(さがみはらし)
【種別】ロープウエー
【編成】貨車1両×1路線
【運行形態】単線単行方式
【用途】貨物輸送(関係者専用)
【最寄りバス停(平日)】
  【自由乗降地点】道志第2発電所入口(歩7分)
  【バス停】夫婦園(歩13分)
【航空写真】確認困難
【ストリートビュー】確認困難
【管理者】神奈川県庁
【取水】
  【第二】道志ダム
  【第四】道志第二発電所
【放水】
  【第二】道志第四発電所
  【第四】道志川
    調査当時のグーグルマップでは、発電所の名称が「道志第二発電所」ではなく「道志川第二発電所」であった。グーグルマップに修正を進言したら、速やかに承認された。
    夫婦園(めおとえん)バス停は、自由乗降区間内に存在するので、道志第2発電所入口と表記されている案内看板の位置で乗降すると所要時間を短縮することができる。

周辺図

案内看板

一般車両進入禁止

軌道末端

高位側の駅

    車両が通行できるのは、ここまでである。黄色の物体は、ホイストクレーンである。この地点の左側に、低位に向かう通路が存在する。

発電所(遠景)

吊り橋

発電所

    ここの名称は、道志第二発電所であるが、道志第四発電所も併設されている。「道志」という名称を伴う発電所は3か所に分散して5施設存在する。まことにややこしい。その所在地は次のとおりである。
  【道志ダム発電所】相模原市緑区牧野11149-5
  【道志第一・第三発電所】相模原市緑区牧野6072
  【道志第二・第四発電所】相模原市緑区牧野12410-2
    また、それらの取水元(しゅすいもと)と放水先(ほうすいさき)は、次のとおりである。
【道志ダム発電所】
  【取水】道志ダム
  【放水】道志川
【道志第一発電所】
  【取水】道志ダム
  【放水】秋山川(あきやまがわ)
【道志第三発電所】
  【取水】秋山川
  【放水】秋山川
【道志第二発電所】
  【取水】道志ダム
  【放水】道志第四発電所
【道志第四発電所】
  【取水】道志第二発電所
  【放水】道志川

取水&放水

(5)  沼本(ぬまもと)ボート

  何らかの船舶輸送設備があるかと思って来てみたが、見つけることはできなかった。

桟橋

(6)  沼本ダム
【所在地】神奈川県相模原市
【種別】ラックリフト(跨座式)
【設備名称】モノレール
【編成】機関車1両&貨車1両×1路線
【運行形態】単線1編成方式
【用途】荷物輸送(関係者専用)
【最寄りバス停】寸沢嵐(すあらし)遺跡前(歩8分)
【航空写真】確認困難
【ストリートビュー】確認困難
【管理者】神奈川県庁
【河川】相模川(さがみがわ)
【ダム湖】沼本調整池
    このモノレールは、右岸側から堤体へと向かう道に存在する。しかし、門扉と柵が存在して立入禁止の掲示が存在する。したがって、鉄道ファンとしては、節度ある目撃に留めておくことが望ましい。なお、左岸側にも道路が通っていてそこから向かうほうが右岸側から向かうよりも施設の近くまで行けるのだが、道路自体が通行禁止になっている。

高位側の駅

    調査当時のグーグルマップでは、モノレールの左脇に「沼本ダム詰所」という名称の記号が存在した。しかし、そのような施設を見つけることはできなかった。おそらく一時的に存在した施設であると推察される。グーグルマップに閉業を進言したら、速やかに承認された。

モノレール

軌道

    堤体の上流側は「沼本調整池」であるが、下流側は津久井湖である。城山ダムが満水の時は津久井湖の水位が沼本調整池より高位となって流れが「停滞」するという珍しい堤体である。バシッ

沼本ダム

(7)  寸沢嵐石器時代遺跡 無料