快速列車の指定席やったら使えへんのかい!「北しなの線フリーきっぷ」の「ご利用区間」

2023年4月3日(月)


    しなの鉄道の「北しなの線」は、下図に示す「長野~妙高(みょうこう)高原」間である。

北しなの線

    しなの鉄道では、「北しなの線フリーきっぷ」という「お得な切符」を販売している。そのホームページに「ご利用区間」として次なる文言(もんごん)が存在する。
【北しなの線 長野駅~妙高高原駅間の普通列車の普通車自由席が乗り降り自由です。

    北しなの線には、普通列車以外に軽井沢(かるいざわ)リゾートという快速列車が運行されている。軽井沢リゾートは全車指定席であり、乗車券と指定席券で利用することができる。Webの文言によると、軽井沢リゾートは普通車ではあるのだが、次なるふたつのハードルにより、軽井沢リゾートの乗車券として「北しなの線フリーきっぷ」を利用することはできないことになる。
【列車種別】普通列車ではなく快速列車である
【座席種別】自由席ではなく指定席である
    百歩譲って「普通列車には快速列車も含まれる」という主張については容認してもよいが、少なくとも座席種別の条件はクリアされない。

    「お得な切符」が乗車券として利用不可という事例はありうる。例えば「青春18きっぷ」である。「青春18きっぷ」と特急券という組み合わせで特急を利用することはできない。
    しかし、このような事例は僅少である。一般に、快速列車であろうと特急列車であろうと、「お得な切符」を乗車券とすることができる。
    しなの鉄道では、類似の切符で「軽井沢・長野フリーきっぷ」を発売している。「軽井沢・長野フリーきっぷ」の場合は、列車種別について「普通列車(快速を含む)」という文言であって、「快速を含む」が括弧書きで添えられている。

    したがって、「普通列車の普通車自由席」という文言は説明不足であって、実際には軽井沢リゾートの乗車券として「北しなの線フリーきっぷ」を利用することは問題無いのではないかという疑問が湧く。
    しなの鉄道に質問してみた。

<質問主旨>
    「北しなの線フリーきっぷ」に関する次なるWeb画面の記述について尋ねる。
    https://www.shinanorailway.co.jp/tour-info/2015/03/1737.php
    「ご利用区間」において、「利用可能な列車は普通列車の普通車自由席である」旨が記述されている。
    軽井沢リゾートは普通列車ではなく快速列車であり、自由席ではなく指定席なので、軽井沢リゾートを利用する場合の乗車券として「北しなの線フリーきっぷ」を利用することはできないということか。

<回答状況>
    未回答状態である(2023年4月2日現在)。

<結果>
    従来どおりである(2023年4月2日現在)。

    質問日は、2023年3月26日(日)である。しなの鉄道の問い合わせフォームを利用して受け付けた旨(むね)の自動応答メールも届いたのだが、1週間経過しても未回答である。文言の良し悪(あ)し以前の問題であり、なげかわしいことである。

    なお、前述の「軽井沢・長野フリーきっぷ」であるが、列車種別として「普通列車(快速を含む)」と記述されてはいるものの、座席種別として「普通車自由席」という記述も存在する。したがって、「軽井沢・長野フリーきっぷ」を「軽井沢リゾート」の乗車券とすることはできないことになる。しかし、2023年3月17日まで有効なパンフレットによると、「軽井沢・長野フリーきっぷ」があれば指定席券の追加だけで「軽井沢リゾート」に乗車可能である旨(むね)の記述が存在するのである


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