早よ言え(はよゆえ)や!「えきねっと」のエラーメッセージ

 2022年3月12日(土)


    JR東日本が提供するJR券申込システム「えきねっと」Web版(こちら)では、「大人の休日倶楽部(クラブ)」割引についても対応している。その機能を利用していて、残念な現象に遭遇した。
    以下の現象において、実際には日時と人数も設定するのであるが、この記事の主旨に依存しないので記述を省略する。

<現象1>
    「大人の休日倶楽部」割引は、乗車券(片道/往復/連続)の営業キロ200km超であることが条件である。「えきねっと」では、片道乗車券(あるいは「片道200km超×往復」)についてのみ申し込み可能である。ところが、利用者としては、それを忘れて入力することがある。
    例えば、次の場合である。
【設定情報】「東京⇒宇都宮」、「片道」、「大人の休日倶楽部を利用する」
⇒「列車を検索する」を押す
⇒「ご注意事項」画面が表示され「上記の内容を理解した」を押す
⇒「経路検索結果」画面が表示され「きっぷ・座席の種類選択へ進む」を押す
⇒「きっぷ・座席の種類選択」画面が表示され「紙のきっぷ」と「(指定席の)大人の休日ジパング」と「乗車券を申込む」を選択して「次へ」を押す
⇒「きっぷ・座席の種類選択」画面にエラーメッセージ「乗車券に大人の休日倶楽部割引が指定されていないか、割引の提供条件を満たしていません。(JS0141-00(2107-1011-1000-007))」が表示される

    これは利用者の設定ミス(営業キロが200km以下)が原因ではあるものの、もっと早い時点で注意喚起すべきである。
    「経路検索結果」画面に「東京⇒宇都宮」間の営業キロと推察される「109.5km」が表示されているので、その時点で「えきねっと」は「大人の休日倶楽部」割引適用不可であることを認識している。
    もし、私がシステム設計を担当したのであれば、「上記の内容を理解した」が押された時点において、「経路検索結果」画面を表示するのではなく、「大人の休日倶楽部」割引適用不可である旨と[戻る]ボタンを設けたエラーメッセージ画面を表示する。できれば、「列車を検索する」を押された時点において、「ご注意事項」画面を表示するのではなく、そのエラーメッセージ画面を表示するようにしたはずである。

<現象2>
    「大人の休日倶楽部」割引は、特急券のみを新規申し込みすることはできず、乗車券も併せて申し込む必要がある。
    例えば、次のとおり設定する。
【設定情報】「東京⇒仙台」、「片道」、「大人の休日倶楽部を利用する」
(途中の表示と操作は「現象1」と同一なので記述を省略する)
⇒「きっぷ・座席の種類選択」画面が表示され「紙のきっぷ」を選択し「(指定席の)大人の休日ジパング」を選択する
⇒「きっぷ・座席の種類選択」画面に乗車券の選択肢として次なる4個が表示される
    ①乗車券を購入する(無割引)
    ②乗車券を購入する(大人の休日ジパング)
    ③乗車券を購入する(大人の休日ミドル)
    ④乗車券を購入しない

    指定席について「大人の休日ジパング」を選択したのであるから、乗車券についても「大人の休日ジパング」しかありえない。したがって、「(指定席の)大人の休日ジパング」を選択した時点で、乗車券の選択肢を4個表示するのではなく、「(乗車券の)大人の休日ジパング」のみを表示するようにすべきである。

    JR東日本にその旨を進言してみた。

<進言主旨>
    「えきねっと」の機能を次のとおり変更してはどうか。

①提案1
【設定情報】「東京⇒宇都宮」、「片道」、「大人の休日倶楽部を利用する」
⇒「列車を検索する」を押す
⇒「ご注意事項」が表示され「上記の内容を理解した」を押す
⇒「経路検索結果」が表示され「きっぷ・座席の種類選択へ進む」を押す
⇒「きっぷ・座席の種類選択」が表示され「紙のきっぷ」と「(指定席の)大人の休日ジパング」と「(乗車券の)大人の休日ジパング」を選択して「次へ」を押す
⇒エラーメッセージ「乗車券に大人の休日倶楽部割引が指定されていないか、割引の提供条件を満たしていません。(JS0141-00(2107-1011-1000-007))」が表示される
    これは利用者の設定ミス(営業キロが200km以下)が原因ではあるものの、もっと早い時点で注意喚起すべきである。
    「経路検索結果」に「東京⇒宇都宮」間の営業キロと推察される「109.5km」が表示されているので、その時点で「えきねっと」は「大人の休日倶楽部」割引適用不可であることを認識している。したがって、「経路検索結果」を表示するのではなく、「大人の休日倶楽部割引」適用不可である旨を表示するようにすべきである。(できれば「ご注意事項」を表示する時点で、そのエラーメッセージを表示するようにしていただきたい。)

②提案2
【設定情報】「東京⇒仙台」、「片道」、「大人の休日倶楽部を利用する」
(途中の表示と操作の記述を省略する)
⇒「きっぷ・座席の種類選択」が表示され「紙のきっぷ」を選択し「(指定席の)大人の休日ジパング」を選択する
⇒乗車券の選択肢が4個表示される
    指定席について「大人の休日ジパング」を選択したのであるから、乗車券についても「大人の休日ジパング」しかありえない。したがって、「(指定席の)大人の休日ジパング」を選択した時点で、乗車券の選択肢を4個表示するのではなく、「(乗車券の)大人の休日ジパング」のみを表示するようにすべきである。

     JR東日本から回答が届いたのだが、回答内容については開示しないよう要請されている。

<結果>
    従来のままである(2022年3月11日現在)。