西武鉄道に、山口(やまぐち)線と称する路線が存在する。かつて乗車した際は、「おとぎ列車」と称するSL列車であった(概要はこちら)。当時の区間は、「遊園地前~ユネスコ村」間であった。その後、当時の区間は一旦廃止され、一部区間を再利用した上で案内軌条式鉄道(AGT、Automated Guideway Transit)となり、現在の山口線「多摩湖~西武球場前」間が開業した。
すなわち、厳密なことを言えば山口線の一部分(上図の赤色線)は未乗区間であり、のどに魚の骨がささったような憂鬱(ゆううつ)な状態である。このままでは、健康によろしくない。したがって、本日は、その未乗区間を乗りつぶしたい。乗り鉄の世界では、これを落穂拾い(おちぼひろい)と称している。
また、西武鉄道の路線には、多くの急カーブが存在する。本日は、その急カーブも併せて訪問したい。なお、後述するカーブ名称は、いずれも本記事における仮称である。
(1) 府中本町(ふちゅうほんまち)駅
臨時改札口
この臨時改札口は競馬開催日のみ利用可能であり、本日は競馬開催日である。
かつて、府中本町駅から南へ200mの位置に国鉄の東京競馬場前駅が存在した。東京競馬場前、府中本町、および後述の府中競馬正門前が東京競馬場の最寄り駅であった。
東京競馬場前は、国分寺(こくぶんじ)から延びる(通称)下河原(しもがわら)線の終着駅であり、(かな表記した場合の)「国鉄における最長駅名の駅」として有名であった。当時の「国鉄における最長駅名の駅」としては、東京競馬場前の他に、岩原スキー場前もそうであった。しかし、当時、岩原スキー場前は駅ではなく臨時営業の仮乗降場であった。岩原スキー場前は、JR発足時に駅に昇格した。
【東京競馬場前】とうきょうけいばじょうまえ
【岩原スキー場前】いわっぱらスキーじょうまえ
両者とも、かな表記で13文字である。
なお、府中競馬正門前も、かな表記で13文字である。
【府中競馬正門前】ふちゅうけいばせいもんまえ
(3) 多摩(たま)動物公園駅
キッズパークたまどうとれいん
行き止まり
(4) 京王れーるランド
ここには、ミニ鉄道が存在する。
【所在地】東京都日野市(ひのし)
【種別】ミニ鉄道(蓄電池)
【設備名称】ミニ電車
【容姿】京王電車【編成】動力車1両&客車3両×1路線
【運行形態】単線1編成方式(環状)【用途】場内遊覧
軌道が第三軌条方式ではなく内燃機関を搭載しているようにも見受けられないので、動力は蓄電池であると推察される。運転席は最後尾なので、先頭座席は視界が良い。運行される列車は、曜日によって異なる。
【5000系】(毎月)日月火
【9000系】(奇数月)木金土
【1000系】(偶数月)木金土
(8) 府中競馬正門前駅
(9) 東京競馬場
生涯初の競馬場訪問である。ここにも、ミニ鉄道が存在する。
【所在地】東京都府中市(ふちゅうし)
【種別】ミニ鉄道(蓄電池)
【設備名称】ミニ新幹線
【容姿】ドクターイエロー/N700系
【運行形態】単線1編成方式(環状)
【用途】場内遊覧
この列車は、競馬開催日に運行される。運賃は、無料である。軌道が第三軌条方式ではなく内燃機関を搭載しているようにも見受けられないので、動力は蓄電池であると推察される。運転席は最後尾なので、先頭座席は視界が良い。
ここには無料の馬車も存在するのだが、乗車は抽選制である。また、ここには競馬博物館も存在し、入場無料である。
動画はこちら。
(10) 府中駅
<関東の駅百選>
イメージさせる駅
この府中(ふちゅう)駅は京王の駅であり、その所在地は東京都府中市である。府中市は、広島県にも存在する。広島県府中市には、JR西日本の府中駅が存在する。府中駅は、あとひとつJR四国にも存在するが、読みは「こう」である。所在地は、徳島県徳島市である。
なお、厳密なことを言えば、あとひとつ京都府宮津市(みやづし)に存在する。天橋立(あまのはしだて)ケーブルカーの府中駅である、読みは「ふちゅう」である。まことにややこしい。
【ふちゅう】
① 京王(東京都府中市)
② 天橋立ケーブルカー(京都府宮津市)
③ JR西日本(広島県府中市)
【こう】JR四国(徳島県徳島市)
(11) 萩山カーブ
多摩湖(たまこ)線の「青梅(おうめ)街道~萩山(はぎやま)」間の萩山寄りに、急カーブが存在する。この周辺は、拝島(はいじま)線や武蔵野(むさしの)線、新宿線、国分寺(こくぶんじ)線が入り乱れていて、非常に複雑である。
動画はこちら。
(12) 萩山駅
(13) 小川(おがわ)カーブ
拝島線の「萩山~東大和市(ひがしやまとし)」間に2か所の急カーブが存在し、小川駅を挟んでS字カーブになっている。この周辺は、多摩湖線や武蔵野線、新宿線、国分寺線が入り乱れていて、非常に複雑である。
小川カーブ(青色線)
動画はこちら。
(14) 拝島カーブ
拝島線の「西武立川(たちかわ)~拝島」間の拝島寄りに、急カーブが存在する。
動画はこちら。
(15) 拝島駅
行き止まり
ここには、横田基地線という貨物線が存在し、横田基地への燃料輸送を担っている。貨物列車は、鶴見(つるみ)線の安善(あんぜん)に接続する鶴見貯油施設から鶴見線・浜川崎(はまかわさき)支線・尻手(しって)短絡線・武蔵野貨物線・南武(なんぶ)線・青梅(おうめ)線経由で運行される。拝島に到着した貨物列車は、八高(はちこう)線に転線したのちに、拝島線を平面交差して横田基地線に入線する。
(車内先頭からの眺め)
(拝島線ホームからの眺め)
(16) 西武山口線
ここには、かつてSL列車が存在した。しかし、その路線は一旦廃止され、一部分を再利用して案内軌条式鉄道(AGT)となった。
【所在地】東京都東村山市(ひがしむらやまし)
【種別】案内軌条式鉄道(AGT)
【愛称】レオライナー【編成】4両編成×1路線
【運行形態】単線1編成方式
【区間】多摩湖~西武球場前
【用途】遊園地アクセス
SL列車から案内軌条式鉄道に変更されたことによって、遊覧鉄道としての色彩は薄れた。
(右の車両はレオライナー)
(17) 山口線カーブ
動画はこちら。
(18) 西所沢(にしところざわ)カーブ
狭山(さやま)線の「下山口(しもやまぐち)~西所沢」間に急カーブが存在する。
動画はこちら。
(19) 所沢カーブ
池袋線の「西所沢~秋津(あきつ)」間に、2か所の急カーブが存在する。所沢の前後において、S字カーブになっている。
所沢カーブ(青色線)
動画はこちら。
(20) 特急ちちぶ
この列車の車両愛称はラビューであり、ローレル賞に輝いた。その特徴は、次のとおりである。
① 先頭の形状
② 窓枠の下辺が低い
一般的には腰の高さであるが、この列車は膝の高さである。
③ 肘掛(ひじかけ)連動リクライニング
一般的には、リクライニング動作時に肘掛は不動である。しかし、この列車では、背もたれと肘掛が一体となっているので、リクライニング操作すると背もたれと肘掛が一緒に傾く。
ラビューの乗務員室と客室は透明ガラスで隔てられていて、ブラインドは存在しない。したがって、乗務員室寄りの座席では、前方展望を楽しむことができる。券売機では、号車指定は可能であるが、座席番号の指定はできなかった。
券面に、「合計」と「料金」という記載が存在する。「合計」とは、いったい何の合計であろうか。また、両者の金額が異なる場合が存在するのであろうか。用語の定義を知りたい。
(21) 入間カーブ
池袋線の「入間市(いるまし)~仏子(ぶし)」間 の入間市寄りに、急カーブが存在する。
動画はこちら。
(22) 飯能カーブ
秩父(ちちぶ)線の「飯能(はんのう)~高麗(こま)」間の東飯能を挟む位置に、急カーブが存在する。
動画はこちら。
(24) 芦ヶ久保の氷柱(あしがくぼのひょうちゅう)
<秩父三大氷柱(ちちぶさんだいつらら)>
(25) 横瀬カーブ
秩父線の「横瀬(よこぜ)~西武秩父」間に2か所の急カーブが存在し、S字カーブになっている。
動画はこちら。
なお、西武の路線においては、本日の訪問地の他に次なる急カーブ路線も存在する。
【高田馬場カーブ】
「高田馬場(たかだのばば)~下落合(しもおちあい)」間において、高田馬場を北方向に出発した直後に大きく西方向にカーブしている。
【池袋カーブ】
「池袋~椎名町(しいなまち)」間において、池袋を南方向に出発した直後に大きく西方向にカーブしている。
【豊島園カーブ】
「練馬(ねりま)~豊島園(としまえん)」間において、練馬を西方向に出発した直後に大きく北方向にカーブしている。(26) 西武秩父駅
<関東の駅百選>
<温泉のある駅>
<グッドデザイン賞>
ユニークなスタイルの駅
ここには、秩父鉄道への渡り線が存在する(詳細はこちら)。
(27) 座席指定列車S-TRAIN(エストレイン)
「列車指定券」という名称に初めて遭遇した。「特急券」でもなく「座席指定券」でもない。なぜ「列車指定券」と称しているのか不思議である。西武鉄道のホームページにおいては、S-TRAINを利用するための「きっぷ」として、「列車指定券」という名称ではなく単に「指定券」が必要であるという主旨の記述となっている。ウィキペディアでは、「座席指定券が必要である」という主旨の記述である。
なお、西武鉄道のホームページにおいては、S-TRAINという列車について他の特急列車と併せて紹介してはいるが、S-TRAINを特急ではなく座席指定列車と称している。したがって、「列車指定券」ではなく「座席指定券」もしくは「指定席券」という券名のほうが良いように感じられる。
上述の「特急ちちぶ」において記述したのだが、この「列車指定券」においても、「合計」と「料金」というふたつの表記が存在する。しかし、ウィキペディアに掲載された「列車指定券」には「合計」という表記は存在せず、「料金」という表記のみである。