許容ではあれど推奨にあらず!「1つ、2つ、3つ・・・」

2023年11月27日(月)


    先日、NHKのニュースにおいて、「2つ」という表記を目撃した。「ふたつ」と読むらしい。NHK放送文化研究所は、この「算用数字+つ」という表記を許容している。横書きの場合は、「2つ」、「二つ」、「ふたつ」について、そのいずれでも良いとしている。
    ネット検索すると、文化審議会発行の「公用文作成の考え方(建議)」の解説において、次なる記述が存在する。
***引用先頭***
    「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」は和語であり、常用漢字表で漢字の訓として整理されていることに従い「一つ、二つ、三つ・・・」と書く。このことは学校教育でも同様に扱われている。ただし、一般の社会生活において、横書きでは算用数字を使った「1つ、2つ、3つ・・・」という表記が広く使われている。広報等で明確に数を数えているような場合などに限って、算用数字を用いて表記することがある。このことは「一人、二人、三人・・・」「一日、二日、三日・・・」などでも同様である。
***引用末尾***

    したがって、「算用数字+つ」を使用しても構わない。しかし、「広報等で明確に数を数えているような場合などに限って、算用数字を用いて表記することがある。」と述べている。「・・・限って、・・・表記することがある。」ということなので、「算用数字+つ」を使用することは、特別な場合ということである。しかも、許容であって推奨ではない。一般には、「ひとつ」や「一つ」を使用するほうが良いという主旨であると解釈される。

    但し、「ひとつ」や「一つ」を使用することについては、更に検討する余地がある。それは、格式ある文章においては、「ひとつ」や「一つ」を使用するのは限定的であって、「1個」や「1か所」、「1件」などの表現のほうが適切であると感じられることが多いからである。「個」や「か所」、「件」などと併せて算用数字を使用することについては、(縦書きであっても)全く問題無い。