「ひとだんらく」はぴえん!読売新聞の4コマ漫画

2021年10月5日(火)


    読売新聞の朝刊に「コボちゃん」という4コマ漫画がある。9月某日の「コボちゃん」において、セリフの中に「ひとだんらく」ということばが含まれていた。これは「一段落」のことであるが、その読みは「いちだんらく」である。
    各新聞社には校閲記者という職種がある。それは、記事の誤字脱字などを校正する職業である。4コマ漫画にについては、校閲しないのであろうか。「コボちゃん」のセリフは全て作者の手書き文字である。したがって、仮に修正するとすれば、編集者が自社内で訂正することは技術的にも倫理的にも困難であると推察され、作者自身が修正しなければならない。もし作者に修正依頼すれば、作者の機嫌を損(そこ)ねるかもしれない。

    類似の意味を持つ単語で「一区切り(ひとくぎり)」という単語が存在する。「ひとだんらく」という誤用は「一区切り(ひとくぎり)」という単語の読みに引っ張られているのかもしれない。類似の意味でなければ、「一昔(ひとむかし)」や「一休み(ひとやすみ)」など多く存在する。

    実は、私もつい最近まで「ひとだんらく」を使用していた。その間違いに気付いたのは数か月前である。当時、NHKのニュースウォッチ9(ナイン)のスポーツコーナーにおいて、一橋忠之(いちはしただゆき)アナウンサーが、「いちだんらく」と発言した。私は、「いちだんらく」ではなく「ひとだんらく」ではないのかと感じて、ただちにネット検索し、「いちだんらく」が正しいことを知った。さすが、NHKであると感じた。
    一橋アナウンサーは、「いちだんらく」と発言した直後に、桑子真帆(くわこまほ)アナウンサーと顔を見合わせて、笑顔を浮かべて「一段落(いちだんらく)で一安心(ひとあんしん)」と発言した。NHKのアナウンサー室ではそのようにして覚えているのかもしれない。